バイオテクノロジー・センターの設立計画を発表
(セルビア)
ウィーン発
2022年08月08日
セルビア政府が2021年8月に採択し、2023年着工、2024年完工、2025年開設予定のバイオテクノロジー・センター「BIO4キャンパス」のコンセプト・デザイン(詳細計画)について、7月13日にアナ・ブルナビッチ首相が発表した。
BIO4キャンパスには、ベオグラード大学の生物学部、薬学部、冶金(やきん)工学部バイオ・エンジニアリング・グループの3つの学部が設置され、8つの科学研究所、ベオグラード科学技術パークの拡張部分、民間企業のR&Dセンターなどの入居が予定されている。
ブルナビッチ首相は「BIO4キャンパス」プロジェクトは、セルビア経済をさらに強化し、平均賃金と年金水準の引き上げ、有能なセルビアの若者たちの頭脳流出の歯止めに貢献するだけでなく、バイオテクノロジー分野の最も難しいプロジェクトに従事するために、多くの人々がわが国に集まると確信している」と述べた。このキャンパスの建設には1億9,000万ユーロ、設備投資には1億ユーロがかかると述べ、その資金はおそらく欧州評議会開発銀行(CEB)からの融資で確保されるだろうとも述べた。
さらに、セルビア経済の知識、革新や新技術に基づく経済への転換が始まった2016年以来、4つの科学技術パーク、セルビアのスタートアップのネットワーク、データストレージのための最新のデーターセンター、プログラミングの導入を中心とした教育システムの改革を構築したことにより、米NCR、マイクロソフト、フランスのシュナイダーエレクトリックなどがセルビアを開発・研究センターとして選択し、外国企業の誘致にも成功したことも紹介した。
IT部門が急速に拡大
ブルナビッチ首相によると、IT部門はセルビア経済で最も急速に成長している部門で、同国の最大の輸出部門。特にITサービス(ソフトウエア関連)の輸出は過去6年間で3倍に増加し、2022年1月から4月までの間で既に2016年のITサービスの輸出額と同等になっており、2022年通年の輸出額は25億ユーロを超えると考えていると述べた。
また、2016年以降、セルビアはプログラマー数を1万9,000人から4万人以上に倍増させているが、近々10万人に達するとの考えも示すとともに、スタートアップ企業のさらなる発展を促すために、イノベーションファンドを増やし、法律を整備することでデベロッパー(技術者や企業)を確保していくとブルナビッチ首相は強調した。
(鈴木秀男、エッカート・デアシュミット)
(セルビア)
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