8月1日付で衛生パスと新型コロナ関連の入国規制を廃止
(フランス)
パリ発
2022年08月03日
フランスで新型コロナウイルス感染症の拡大に対応するために導入した特例措置を終了する法律が8月1日に施行された。これにより、これまで医療機関や高齢者施設を訪問する際に提示を求められていた衛生パス(注)が廃止された。
医療機関や高齢者施設でのマスク着用義務も8月1日付で解除された。ただし、政府は、こうした施設では引き続きマスク着用が強く奨励されるとしている。高齢者や病弱な人に対しても、密閉空間や混雑した場所、大規模な集会でのマスク着用を奨励した(8月1日更新の政府のウェブページ)。
同法により新型コロナウイルス感染症に関わる入国規制も8月1日付で全廃された。フランスへの渡航者はいかなる国・地域からでも入国時にワクチン接種証明や陰性証明などの入国書類を提示する必要はなくなった。
ただし、今回の法律によって政府は、2023年1月31日までの期限付きで、新型コロナウイルスの新たな変異株が出現し、これが拡大して衛生上深刻な脅威となる可能性がある場合、12歳以上の渡航者に陰性証明の提示を求める措置をデクレ(政令)で最大2カ月にわたって実施する権限を与えられた。
感染者や濃厚接触者に関わる自主隔離のルール(2022年4月25日記事参照)に変更はなかった。
フランスでは、6月に到来した新型コロナウイルス感染の第7波はここにきて収束に向かっている。1日当たりの新規感染者数(政府の新型コロナ接触追跡アプリ)は7月5日に20万人を超えるピークだった後、緩やかな減少に転じ、31日には3万1,500人となった。
政府は4回目のワクチン追加接種について、1月28日から免疫不全症疾患者、3月14日からは80歳以上の高齢者と高齢者施設の入居者に推奨していたが、4月7日に3回目接種から6カ月以上経った60~79歳に対象を広げた。7月29日におけるワクチンの4回目接種率は80歳以上で32.5%だった(公衆衛生局発表)。
(注)ワクチン接種証明書、24時間以内のPCR検査または抗原検査の陰性証明書、回復証明書のいずれか。
(山崎あき)
(フランス)
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