主要閣僚3人が電撃辞任、ジョンソン首相に退陣求める声も

(英国)

ロンドン発

2022年07月07日

英国のサジード・ジャビド保健・ソーシャルケア相と、リシ・スーナック財務相は75日、辞任を突如表明した。ジャビド保健・ソーシャルケア相はボリス・ジョンソン首相に宛てた書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、保守党への支持が低下しているだけでなく、国益のために十分な活動を行っていると国民から見なされていないと指摘、6月に行われた首相への不信任投票以降も状況が改善しないことも踏まえ、首相を支持できなくなったとした。スーナック財務相も同首相宛ての書簡PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)で、財務相への登用などに謝意を示した一方で、政府は現在、国民が求める水準で活動できていないことを示唆、また、来週予定している経済政策に関する首相との共同演説をめぐるアプローチが根本的に異なっているとした。

両閣僚の後任として同日、ナディム・ザハウィ前教育相が財務相に、スティーブ・バークレイ前ランカスター公領相が保健・ソーシャルケア相に就任した。教育相にはミシェル・ドネラン前教育省国務相が昇格した一方、ランカスター公領相のポストは76日時点で発表されていない。

今回の辞任は、前院内副幹事のクリス・ピンチャー氏について、ジョンソン首相が同氏の問題行動に関する報告を受けながら同職に任命したにもかかわらず、任命前には問題行動を把握していなかったと説明したことがきっかけと報じられている。

これを受け、現職閣僚からも首相退陣の要求が出ているようだ。マイケル・ゴーブ・レベリングアップ・住宅・コミュニティー相やグラント・シャップス運輸相、クワシ・クワルテング・ビジネス・エネルギー・産業戦略相などがジョンソン首相に辞職を要求していると報じられている。6日に行われた議会下院でも、与野党の複数の議員が首相辞任を求めたが、ジョンソン首相は辞任を否定している。6日夜には、サイモン・ハート・ウェールズ担当相が辞任し、ジョンソン首相がゴーブ氏を罷免したと報じられた。

(山田恭之)

(英国)

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