米西海岸港湾の労使交渉、医療給付に関する暫定合意を発表
(米国)
ロサンゼルス発
2022年07月27日
米国の太平洋海事協会(PMA)と国際港湾倉庫労働者組合(ILWU)は7月26日、交渉中の他の問題の合意を条件として、医療給付に関して暫定合意に達したと発表した。今回の暫定的な合意内容は明らかにされていないが、発表では、医療給付の維持は双方にとって「契約の重要な部分」と説明している。医療給付以外の論点については、交渉が継続される。
PMAによると、ILWUの労働者や退職者、ならびにその家族には、治療や手術に対して自己負担のない医療保険が全額、雇用者負担で提供されている。今回の労使交渉の最大の論点は、ターミナルの自動化問題とされており、医療給付に関しては労使双方の隔たりが小さかったとみられる。
米国西海岸の港湾では、使用者側のPMAと労働者側のILWUが5月10日から労使交渉を行ってきた。労働条件などを定めた労働協約は7月1日に失効したが、それ以降も労使双方は通常業務を継続しつつ、引き続き交渉を行っている(2022年7月15日付地域・分析レポート参照)。今回の労使交渉は、世界的にサプライチェーンの混乱や物価高騰が継続し、11月に中間選挙を控えるバイデン政権も注目する異例の状況下で行われており、交渉をめぐる動向は引き続き注目される。
(永田光)
(米国)
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