トヨタとエコペトロールが覚書締結、水素モビリティー分野で連携
(コロンビア、日本)
ボゴタ発
2022年07月22日
トヨタ自動車とコロンビア石油公社エコペトロールは7月18日、水素モビリティーの実証試験に関する覚書に署名した。トヨタ自動車は今後3年間、水素で走る燃料電池自動車「MIRAI」をエコペトロールに無償で貸与し、エコペトロールの施設やカルタヘナ製油所内で水素の燃料としての性能や効率、走行距離などの実証試験を行う。燃料のグリーン水素はカルタヘナにあるイノベーション・技術センターの容量50キロワット(kW)の電解槽で太陽光を用いて製造される。署名式にはイバン・ドゥケ大統領やディエゴ・メサ鉱山エネルギー相、フェリペ・バヨン・エコペトロール社長、髙杉優弘・駐コロンビア大使、田中靖規トヨタ自動車コロンビア社長らが出席した。ドゥケ大統領は「この取り組みは、コロンビアがグリーン水素の輸出大国となるためのロードマップ上、非常に重要なものだ」と語り、2021年に発表した水素戦略に関するロードマップの目標達成(2021年10月14日記事参照)に向けた両社の連携の重要性を強調した。
エコペトロールは2022年3月、グリーン水素製造の国内初のパイロット生産をカルタヘナで開始しており、トヨタ自動車はその記念イベントのために「MIRAI」を北米から持ち込んでいた(2022年3月25日記事参照)。5月には住友商事と大手ガス輸配送会社プロミガスが水素モビリティー分野の協力に関する覚書を締結するなど(2022年5月25日記事参照)、同分野で日本企業のコロンビアでの活動が活発化している。
ドゥケ政権は任期を残すところ20日ほどとなり、グスタボ・ペトロ新政権の経済政策の行方が気になるところだが、再生可能エネルギー推進に意欲的なペトロ次期大統領の水素戦略に注目が集まる。
(茗荷谷奏)
(コロンビア、日本)
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