英バンキング・アズ・ア・サービス企業、1,550万ドルの資金調達
(英国)
ロンドン発
2022年07月22日
バンキング・アズ・ア・サービス(BaaS、注1)を提供する英国企業グリフィン(Griffin)は7月7日、1,550万ドルの資金調達を完了したことを発表した(同社の7月7日付ブログ)。この資金調達を受けて、グリフィンは同社のプラットフォームサービスの構築を進めていくとした。
同社はAPI(注2)に基づいたプラットフォームをフィンテック企業向けに提供する。同社のプラットフォームにより、利用企業は英国内の送金、銀行口座、デビットカード、会計システムなどのデータにアクセスできるとしている。さらに、利用者はコンプライアンスシステムの構築やデータ管理システムの開発にコストをかけることなく、迅速に金融商品を提供できるとしている。同社は5月、金融行為規制機構(FCA)と健全性規制機構(PRA)に銀行免許を申請した(同社の5月12日付ブログ)。
市場調査会社フューチャー・マーケット・インサイツは2021年10月、世界全体のBaaSプラットフォーム市場は堅調な成長が予測され、市場収益は2022年の25億ドルから2031年には122億ドルにまで上ると報告した。英国については、複数の強力なBaaSプラットフォームプロバイダーが存在していることに触れ、2031年にはBaaSの欧州市場の約29%を占めると予想している。
英国のBaaSの主なプロバイダーは、スターリング・バンク(Starling Bank)、クリアバンク(Clear.bank)、バンカブル(Bankable)などが挙げられる。
(注1)金融機関が金融サービスを、非金融企業が自社サービスに組み込めるよう、クラウドサービスとして提供すること。
(注2)アプリケーション・プログラミング・インターフーイス。アプリケーションの機能や管理するデータなどを他のアプリから呼び出して利用するための接続仕様・仕組みのこと。
(今井丈生、山田恭之)
(英国)
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