DAISOがマンハッタン1号店を開業、米販売戦略を聞く
(米国、日本)
ニューヨーク発
2022年07月26日
バラエティストアの「DAISO」を展開する大創産業は7月15日、米国ニューヨーク市マンハッタン区内で初となる店舗を開業した。米国における同社の店舗展開、今後の小売りブラック クイーン ブラック ジャックの見通しなどについて、米国事業を統括するDaiso Californiaの高尾智洋社長に話を聞いた(7月14日)。
(問)米国における店舗展開の状況は。
(答)2006年からの米国では、56店舗のカリフォルニア州を中心に、ワシントン州、テキサス州など現在83店舗を展開している。米東海岸では、今回開業した店舗を含め、ニューヨーク州およびニュージャージー州内の7店舗のみ。当社の方針として、今後も沿海部などを中心に店舗を拡大していく。新型コロナのパンデミック初期のころに、小売業はエッセンシャル事業以外が閉鎖を迫られたが、当社は食品を取り扱っていたため、営業継続が許可された。その時期に営業を続けたことにより、客数が増えて国内での認知も進んだ。過去2年間は新規出店を見合わせてきたが、2022年に入ってようやく状況が好転し始めた。今後は、ニューヨーク州およびニュージャージー州で新たに5店舗開設する提案が挙がっている。
(問)米国での顧客層の特徴はどのようなものか。
(答)顧客の人種構成はアジア系やヒスパニック系が多い。新規出店に際しても、こうしたコミュニティーが集まる場所を考慮しており、所得水準は平均より若干高めの層をターゲットにしている。米国の幅広い顧客に当社の商品を支持してもらえるよう、経営人材の現地化も図っており、ここ1年で組織の強化に力を入れている。
(問)サプライチェーンの混乱がブラック クイーン ブラック ジャックに及ぼす影響は。
(答)供給面では、当初影響を受けたが中国でのロックダウンも解消し、通常に戻りつつある。特に大きな影響は受けていない。ただ、米西海岸港湾の労使交渉がどう進展するか懸念があり、今後の動向に注目している。コンテナ輸送費は新型コロナウイルス感染拡大前の2019年の水準には戻っておらず、以前に比べ5倍以上の価格で高止まりしている。こうしたサプライチェーンの問題は残るが、日本、中国、アジアなどから商品を仕入れ、日本の店舗と同じ商品を米国で販売していくブラック クイーン ブラック ジャックモデルに変更はないだろう。
(問)今後の小売りブラック クイーン ブラック ジャックの見通しは。
(答)当社はまだ売り上げ増を維持できているが、現状は米小売り大手各社とも在庫を多く抱え業績が厳しく、個人消費の伸びは今後鈍化するとみている。米国ではインフレ率が9%を超え、不況入りの懸念が高まっていることから、買い控えの消費マインドが続くと考えている。ガソリン価格が高騰する中、遠くまで買い物へ行く人は減り、なるべく1回の買い物で済ます消費者が増えている。そうなると全体の客数にも影響を及ぼす懸念がある。インフレによるコスト上昇もあり、バラエティストアを今までどおりのスタイルで運営することは厳しさを増している。
(米山洋、樫葉さくら)
(米国、日本)
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