しょうゆなど減塩政策に対応急がれる
(コロンビア)
ボゴタ発
2022年07月20日
コロンビアで、国民の塩分摂取量低減を目指して2020年に公付した59の食品への塩分含有量規制が2022年11月に第1段階の順守期限を迎える。しょうゆや調味料など代表的な日本食材を扱う関連企業でも、製造元との成分調整の交渉などで困難な対応が迫られている。
同国保健省が2020年11月9日に交付した決議2013号では、2022年11月9日(第1段階)、2024年11月9日(第2段階)までに、食品ごとの最大ナトリウム含有量を各段階で定めた数値内とすることを求めている(添付資料表参照)。同数値を順守していない食品は、第1段階で2022年11月9日までに、第2段階では2025年11月9日までに市場から撤去することとなっており、販売ができなくなる。このほか、2021年6月16日付決議810号では、ラベルの栄養表示に100グラム当たりと、1食当たりのナトリウム含有量(ミリグラム)をそれぞれ明記することを義務付けている。同ラベル表示義務は2022年12月16日まで猶予を設けている。
日本から現在輸入している商品では、シリアル、マヨネーズ、しょうゆベース調味料、ソース、カレーペースト、スープベースなどが対象になるとみられる。当地通関統計によると、2021年にこれらの商品の日本からの輸入額は約35万ドル、米国からはしょうゆだけで約71万ドルが輸入されている。
アジア食材を専門に扱う輸入会社によると、減塩タイプのしょうゆでも第2段階の数値を超えてしまう。また、同社の販売先の大手小売店の中には2022年8月以降、数値を超える商品の納入を行わないと通知しているところもあるという。対応が迫られているのはアジア食材関連だけではない。一般食材を扱っているある卸売会社も既に顧客から基準内の食品の納入を求められるようになった。現在、この減塩政策と通貨ペソ安は食品輸入ビジネスにとって二重の困難になっていると指摘する。市場に浸透した商品の成分を各社が変更するのは産業全体にとって大きな負担となるはずだが、現在までにあまりそれに関連する報道などはなく、11月までに対応の動きは加速すると予想される。ある地場のソースメーカーはこれから対応するというが、必要ならば味を変えずに塩分の配合を変えることになろうと話している。食品関連会社では、コロンビアのこの規制は諸外国と比べて厳しく、短期間での達成は困難ではないかとの見方も多くある。
(豊田哲也)
(コロンビア)
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