日系医療関係企業、ダッカに国際水準の総合病院を開業
(バングラデシュ、日本)
ダッカ発
2022年07月13日
グリーンホスピタルサプライ(本社:大阪府吹田市、GHS)が6月18日、バングラデシュのダッカに国際水準の総合病院「シップインターナショナルホスピタル(SIH)」を開業した。同病院は、GHSと現地医療機関アイチホスピタル(AH)による合弁で、2018年からは国際協力機構(JICA)が民間投融資のスキームを活用して出資に参画している。
GHSは2016年にAHと合弁企業を設立し、総合病院設立に向けて動き出した。SIHの特徴は、心臓外科などの最新医療設備を導入し、日本式サービスを他の私立病院よりも安価に提供することで、「奉仕を誓う(Promise to Serve)」をモットーとする点だ。新型コロナウイルス禍により病院の正式な開業が遅れたものの、2020年6月からバングラデシュ政府の新型コロナ指定病院となり、日本人を含む患者への治療提供を開始した。同院には、内科と外科、血液バンクを含む16の診療科を開設しており、一般診療も順次開始する。床数は650床認可されており、現状350床が設置済み。病院内の食事は食品衛生の管理基準のHACCP(ハサップ)ガイドラインを順守した上で提供する予定だ。
開業式でバングラデシュ投資開発庁(BIDA)のモーシナ・ヤスミン理事は「バングラデシュから毎年25万人が国外に治療を受けに行っており、40~50億ドルが国外で消費されている。SIHのような国際水準の総合病院で、最先端のサービスが今後、国内で提供されることを期待している」と述べた。小林宏行SIH会長は「当院は専門領域として心臓虚血性疾患や脳卒中、整形外科外傷、周産期医療をターゲットに、最新の設備と技術を導入し、日本とバングラデシュの共同臨床拠点として、この病院を運営していく。JICAや日本政府と連携して、日本から専門医や看護師を派遣し、バングラデシュの医療底上げに貢献していきたい」と話している。
BIDAによると、バングラデシュのヘルスケア分野は、2010年から年間10.3%の成長を遂げており、2018年時点の市場規模は67.6億ドルと、過去8年で倍増している。外資100%の進出も可能で、今後、同分野の投資機会が注目される。
(安藤裕二)
(バングラデシュ、日本)
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