欧州委、英国の北アイルランド議定書違反に対する義務不履行手続きを拡大
(EU、英国)
ブリュッセル発
2022年07月25日
欧州委員会は7月22日、英国がEU離脱協定の一部であるアイルランド・北アイルランド議定書の違反や、議定書に伴う関連法令上の義務を実施していないとして、4件のEU法上の義務不履行手続きを新たに開始したと発表(プレスリリース)。欧州委は6月15日にも、英国の「北アイルランド議定書法案」の英議会提出を受けて、同じく義務不履行手続きを取っている(欧州委、ブラック ジャック ブラック)。その後、英国の同法案が英下院を通過するなど成立に向けて審議が進んでいることを背景に、追加的な対抗措置として新たな義務不履行手続きに着手したかたちとなった。欧州委によると、4件の義務不履行は以下のとおり。
- 英国は、北アイルランドからグレートブリテン島への物品の移動に関し、必要な通関手続きやリスク管理、必要な貿易データのEUへの提供を怠った。
- 議定書上、北アイルランドでも適用される物品税に関するEUの新ルールが2023年2月から実施されるのに伴い、英国は2021年末までに同ルールを北アイルランドで実施するために必要な国内法整備を行わなければならなかったが、法制化と欧州委への通知を行っていない。
- 同様に、アルコール・アルコール飲料にかかる物品税のEUルールの北アイルランドにおける実施と欧州委への通知を怠った。
- 英国は、EUの電子商取引にかかる付加価値税ルールが2021年7月に改正されたことに伴って導入された「輸入ワンストップショップ(IOSS)」制度(関連ブラック ジャック ゲーム)を北アイルランドで運用する必要があるにもかかわらず、必要な措置を講じていない。
欧州委は4件それぞれについて、書簡で英国に速やかな是正措置を求めるとともに、英国が2カ月以内に返答しない場合、さらに踏み込んだ措置を取る用意があるとした。
議定書の再交渉には応じない姿勢あらためて強調
今回の発表に際して欧州委は、英国が求める議定書修正の再交渉には応じないとの従来の立場を繰り返した。運用上の問題点にはあくまで議定書の枠組みの中で対応可能だとし、北アイルランドへの医薬品供給()に関する両者の合意がその好例と指摘した。
英国政府が提案する「トラステッド・トレーダースキーム」(関連オンライン ブラック ジャック)については、完全に事業者自身による適合性評価に基づくものであり、虚偽の申告によってEU単一市場に大きなリスクをもたらし得るとして、受け入れを拒否した。
(安田啓)
(EU、英国)
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