5月の失業率は横ばいの3.9%、労働参加率は過去最高
(オーストラリア)
シドニー発
2022年06月20日
オーストラリア統計局(ABS)は6月16日、2022年5月の雇用統計を発表し、失業率(季節調整値)が3.9%だったと明らかにした。1974年8月以来の最低水準を記録した前月からは横ばいだったが、労働参加率は0.3ポイント上昇して66.7%となり、過去最高を記録した。
就業者数は、パートタイム労働者が8,700人減少したものの、フルタイム労働者が6万9,400人増加し、全体では前月比0.5%増の1,351万900人となった。失業者数は7,800人増加し、前月比1.4%増の54万8,100人だった。月間総労働時間は前月比0.9%増の18億5,600万時間、不完全雇用率は0.4ポイント低下の5.7%とどちらも改善した。また、労働力の未活用率は0.3ポイント低下の9.6%となり、1982年4月以来の最低水準に達した。
失業率を州別にみると、ビクトリア州(0.5ポイント改善の3.7%)やクイーンズランド州(0.5ポイント改善の4.0%)で大きく改善したが、北部準州では横ばいの4.1%だったほか、タスマニア州(0.7ポイント悪化の4.5%)、ニューサウスウェールズ州(0.5ポイント悪化の4.0%)、西オーストラリア州(0.2ポイント悪化の3.1%)、首都特別地域(0.2ポイント悪化の3.3%)、南オーストラリア州(0.1ポイント悪化の4.6%)では悪化した。
ABSは「7カ月連続で就業者数が増加したことに加え、労働時間も前月に引き続き堅調に増加した」と分析した。一方で、「インフルエンザの流行に加え、新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の感染拡大による影響も続いており、病気休暇取得によって労働時間が短縮された労働者が引き続き多い」と説明した。
(住裕美)
(オーストラリア)
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