米インディアナ州で初のグローバル経済サミット、ブラック ジャック コツ論

(米国、日本)

シカゴ発

2022年06月08日

米国インディアナ州政府は5月26~29日、同州最大の都市インディアナポリスで「インディアナ・グローバル経済サミット」を初めて開催した。州政府によると、世界36カ国から800人以上が対面で参加した。期間中は経済の持続性や人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)分野の発展、中国とのビジネスなどをテーマとした複数のセッションが開催された。

同州のエリック・ホルコム知事(共和党)は開会に当たり、「参加国のGDPを合わせれば、世界のGDP総額の4割に達する。インディアナ州からグローバルな問題を考え、解決に導く機会を提供したい」と述べた。ホルコム知事が自身の政策の1つとして、国際的な企業や国々との連携促進を掲げていることが今回のサミット開催の背景にある。

会期2日目の27日には、唯一の国別ラウンドテーブルとなる「ジャパン・ラウンドテーブル」が開催された。日本とインディアナ州の共通点として、自動車を中心とした製造業中心の産業構造であることに着目し、電気自動車(EV)化の課題とビジネス機会について議論した。ラウンドテーブルに参加した日系大手自動車メーカーは、米国拠点でのEV化への投資状況に触れ、現下の最大の課題として、人材の確保や従業員向け住宅地の確保を挙げた。このラウンドテーブルには、豊橋技術科学大学発のスタートアップ企業パワーウェーブも登壇した。ワイヤレス電力伝送技術サービスを手掛ける同社は、リモート充電技術はEV普及に大きく貢献するとして、米国での実証実験場の確保や車載実験での連携を訴えた。ラウンドテーブルの最後に、会議でモデレーターを務めたジェトロの曽根一朗理事は「(EV化のような産業の転換期には)産業の問題が複雑になればなるほど、官民での対話の重要性が高まる。これは日本企業だけでなく、インディアナ州の未来にとっても重要。ホルコム知事には、日系企業と一層、対話の機会をもっていただくことを期待したい」と締めくくった。

(橋本翼、星野香織)

(米国、日本)

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