日韓経済人会議を開催、エネルギー安全保障分野での協力を推進
(韓国、日本)
ソウル発
2022年06月01日
第54回日韓経済人会議(主催:日韓経済協会、韓日経済協会など)が5月30日、「日韓経済連携の新たなステージ」をテーマに、ソウルと東京のそれぞれの会場をオンラインで接続して開催された。
団長を務めたキム・ユン韓日経済協会会長(三養ホールディングス会長)、佐々木幹夫日韓経済協会会長は、喫緊の課題として、国際情勢の変化に伴うエネルギーや食糧価格の高騰、サプライチェーンの混乱など、日韓の共通した課題に対し、ともに協力する必要あると訴えた。
また、来賓として参加したアン・ドックン産業通商資源部通商交渉本部長からは、韓国政府の経済連携などの方針について、(1)インド太平洋経済枠組み(IPEF)に積極的に参加すること、(2)環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加盟に向けた準備進めていることが紹介された。また、岩田和親経済産業大臣政務官からは、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定が発効し、積極的な利活用を進めていることを紹介した。
全体会議では、日韓協力の具体策について議論が行われた。イ・キョンサン韓国科学技術院(KAIST)教授は、ポストコロナの時代では、米中対立、ウクライナ侵攻、気候変動対策により、循環型経済に重点を置いたグローバル・バリューチェーン(GVC)をデザインする必要があるとし、これには日韓協力が大きな強みになると強調した。佐藤利宣ソウル・ジャパン・クラブ理事長は、エネルギー分野における水素の可能性について、水素の生産から輸送、使用の段階で協力することにより、液化天然ガス(LNG)同様コスト削減に資するとして、水素分野での日韓協力を提案した。
採択された共同声明では、会議での議論を踏まえ、世界情勢やポストコロナなど目まぐるしい変化の中で、日韓両国の連携や協力が一層重要となるとして、エネルギー安全保障などで積極的に力を合わせることで合意した。さらに、日韓協力の前提として、青少年や次世代の人材交流や文化交流も引き続き取り組んでいくとした。
(当間正明)
(韓国、日本)
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