自動車関連見本市がヨハネスブルクで開催
(南アフリカ共和国)
ヨハネスブルク発
2022年06月28日
南アフリカ共和国では6月7日から10日まで、ヨハネスブルクのナスレックで自動車関連見本市「オートメカニカ・ヨハネスブルク」が開催された。出展企業は、自動車および自動車部品メーカーだけでなく、アクセサリーやアフターマーケット関連企業など多岐にわたった。来場者数は5,488人、出展社数は191社で、インドが国別パビリオンを唯一設置した。日本企業の独自出展はなかったが、13カ国から出展があった。「オートメカニカ」は世界各国で開催されているが、主催者によれば、今回の見本市はアフリカ大陸では最大規模だという。
実写 版 ブラック ジャックは、南アの自動車部品メーカーで、2021年に日本製部品の取り扱いを始めたKBCの担当者に話を聞いた。同社はブレーキ、クラッチ、ベアリングなどを取り扱っており、アフターマーケット用部品として南アのOEMに商品を卸している。担当者によると、「最近、需要が伸びてきており、欧米、日本などからの輸入品で国産品不足を補っている。今回、新たに日本製品を輸入した。この製品の日本メーカーとはまだ代理店契約を締結してはいないが、製品についてマーケティングは開始している。品質は高いので、顧客の感触が良ければ、総代理店を目指したい」としたうえで、「オートメカニカは、アフターマーケット関係者の来場もあるのでマーケティングに適した場所」と展示会を評した。
次に、南ア大手のバッテリー会社ファーストナショナルバッテリーの担当者に、今後の電気自動車(EV)に関する展望と自社での取り組みについてインタビューした。同社は南ア国内の自動車メーカーだけでなく、世界40カ国以上に輸出している。担当者は「南アではインフラが未整備のため、EVへの移行が非常に遅れている。今後も燃料電池車の国内生産が続くので、鉛バッテリーは長期的にも需要があると見る。一方で、小型EV市場向けに、トルコの会社から完成品のリチウムイオン電池を輸入している」と話した。
自動車産業は南アのGDPの4.3%(2021年、製造2.4%、販売1.9%)を占める主要産業の1つで、今後、同産業がどのような成長を遂げるか注目が集まる。政府は2021年5月にEVなどに関するロードマップ案「オート・グリーン・ペーパー」を発表(2021年5月25日記事参照)しているものの、現時点での最終的なロードマップはまだ発表されていない。
(堀内千浪)
(南アフリカ共和国)
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