フィンテックのオベイト、キャッシュレス決済サービスを発表
(ルーマニア、米国)
ブカレスト発
2022年06月02日
5月12日付「ザ・フィンテック・タイムズ」によると、ルーマニアで2015年に創業し、2019年に本社を米国テキサス州に移転したスタートアップ、オベイト(Oveit)が新システム「オベイト・ウォレット(Oveit Wallet)」をリリースした。
同社はこれまで、コンサートやフェスティバルなどの入場券発行、物販の現金や収益管理を効率化するシステムを開発。(同社プラットフォームを利用した)イベント主催者が得られるデータにより集客、売り上げのリアルタイム分析を可能にし、主催者、出店者、来場者の満足度を高めてきた。クランチベースによると、オヴェイトは2016年3月と2021年1月にそれぞれシードラウンドで累計60万ドルを調達した。同社が開発した、新時代の通販ともいわれるストリーミング・オンライン・ショッピングのプラットフォーム「Streams.Live」は米国やルーマニアのユーザーを中心に日本の地酒販売店も活用しており、個人でも手軽に収益を得ることができる。
5月12日付「ザ・フィンテック・タイムズ」によると、新たなキャッシュレス決済サービスであるオベイト・ウォレットは、主催者の現金管理コストを軽減し、来場者の取引待機時間を短縮し安全性を高める。
同社は2月8日、コーディングの知識がなくてもNFT(非代替性トークン、注1)を短時間で作成し販売できるシステム「Oveit NFT」をリリース。さらに5月2日、ルーマニアで2019年に創業したディープテック・スタートアップ、ヒューマンズ・エーアイ(Humans.ai)と、ブロックチェーン技術とAI(人工知能)を活用し、新タイプのNFT「AI NFT」を共同開発すると発表した。NFTと主催者が提供する特典、さらにはリアルとバーチャルのイベントを組み合わせることによって、よりクリエーティブなイベント企画を可能にする。また、倫理を保ちつつ、生体認証データや独自のデータ処理、検証メカニズムによってAIソリューションを進化させる。全ての取引を実在の人物が行っていることを確認し取引の信頼性を高めるとしている。
オベイトのミーハイ・ドラガンCOO(最高執行責任者)は、デジタル空間はWeb 3.0(注2)とメタバース(巨大な仮想空間)に急速に移行しており、AI NFTの開発により、アクセスに必要であるだけだったチケットが体験型デジタルアートに進化し、主催者と参加者の双方に新しい利益をもたらすと述べた。
(注1)Non-Fungible Tokenの略称。唯一無二であることをブロックチェーン技術で証明することによって貨幣の偽造やコンテンツの海賊版を防ぎ、NFT所有者を明確にすることができる。
(注2)非中央集権型(分散型)ブロックチェーンにより特定企業に個人ブラック ジャック オンラインが蓄積されない技術。サイバー攻撃を受けても個人ブラック ジャック オンラインが大量に流出することを防ぐ。
(西澤成世)
(ルーマニア、米国)
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