中小企業中央会、農産物の輸入価格高騰に関する実態調査を実施

(韓国)

ソウル発

2022年06月15日

韓国の中小企業中央会は6月7日、中小食品メーカーを対象とした「農産物の輸入価格の急騰に伴う中小食品メーカーの実態調査」の結果を発表した。調査は5月12日から23日にかけて実施し、電話、Eメール、FAXで213社が回答した。

同調査によると、回答企業の82.6%が「国際穀物価格の急騰で経営環境が悪化した」と回答した。「前年に比べ営業利益が減少する見込み」と回答した企業は73.7%に上り、うち26.3%が「営業利益が2割以上減少する見込み」と回答した。

今後の原材料価格上昇の動向については、「前年比10%以上20%未満上昇する」と見込む企業が36.2%と最も高く、23.0%の企業は「20%以上30%未満上昇する」と回答、25.9%の企業は「30%以上上昇する」と見込んでいることがわかった。製品価格の引き上げ(価格転嫁)については、「原価の増加分より引き上げ幅を縮小して販売」または「計画がない」と回答した企業の割合が73.2%となった。

製品価格を引き上げない理由として、「競合他社に比べ競争力が低下することへの懸念」と回答した企業が58.6%と最も多く、次いで「納品先と関係が悪化することへの懸念」が24.1%、「経営上の耐性がある」が17.2%だった。

国産穀物への代替の可能性については、代替する計画がある企業は13.6%にとどまった。理由として「国産原材料は価格が高いため代替は難しい」と回答した企業が58.7%、「大量納品が不可能であるなどの需給問題」22.8%、「原料の原産地・配合を変更すると品質の維持が難しい」10.9%の順だった。

政府に求める支援策(複数回答可)については、回答企業の49.8%が「食品原材料購入資金の支援拡大」、次いで「早期公売(注)など備蓄食料の放出を通じた市場の安定」が47.9%、「関税割当枠の拡大などを通じた備蓄の拡大など」が40.4%と続いた。

(注)関税割当枠で輸入できる権利を販売する公売(入札)を早期に実施すること。

(当間正明)

(韓国)

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