2022年第1四半期の新規FDIライセンス件数が大幅に増加
(サウジアラビア)
リヤド発
2022年06月07日
サウジアラビア投資省(MISA)は6月4日、2022年第1四半期の国内投資動向をまとめた「投資ハイライト(Investment Highlights)」を発表した。
MISAが第1四半期に外資系企業に対して新規に提供したライセンス件数は合計9,383件で、前年の第1~4四半期の合計値である4,476件を既に上回った。増加の要因についてMISAは、投資環境の改善、新型コロナウイルスによるパンデミックから世界経済が回復している点の投資家心理への訴求、地域統括会社(RHQ)の設立を挙げた。同件数の中には、2020年8月に成立した反隠匿法(Anti-Concealment law)に基づき新規にライセンスを申請したケースが相当数含まれているが、同案件を除いた1,215件でも、前年同期(479件)に比して約2.5倍の水準となる。
また、MISAは第1四半期に署名した101の投資案件のうち、金額が公表されている57案件の合計額が40億ドル超となり、新規創出雇用が5,816件に上ったとした。投資額が堅調に推移した背景として、同期の実質GDP成長率が年率9.6%を記録するなど、サウジアラビアが新型コロナウイルスによる経済への打撃からいち早く回復した国の1つであることを挙げた。
レポートでは、2月に大型投資を発表した米国の新興電気自動車メーカーのルシード・モータースのピーター・ローリンソン最高経営責任者(CEO)兼最高技術責任者(CTO)へのインタビューも掲載された。インタビューで同氏は、前月に定礎式を実施したサウジアラビア工場(関連カジノ ブラック ジャック)から、中東市場に加えて欧州市場へも輸出する意向を明らかにした。そのほか、主たる外資系企業による新規投資や事業拡張の動きとして、フォックスコン(台湾)、アマゾン(米国)、グラクソ・スミスクライン(英国)、ラビット(エジプト)などの大型プロジェクトが紹介されている。
(秋山士郎)
(サウジアラビア)
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