アブドゥラヒヤーン外相がインドを訪問、モディ首相らと経済協力などで会談
(イラン、インド)
テヘラン発
2022年06月10日
イランのホセイン・アミール・アブドゥラヒヤーン外相が6月8日にインドを訪問し、ナレンドラ・モディ首相、スブラマンヤム・ジャイシャンカール外相らと会談した〔6月8日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。
会談においてモディ首相は、両国間関係の強化のための取り組みを加速することを求め、特にチャバハール港での協力など、物流分野での協力を加速する準備ができているとした。これに対してアブドゥラヒヤーン外相は、今回の訪問により、インド高官との間で両国の協力関係について共通の認識を持つことができたとした(6月9日付イラン外務省、6月8日付IRNA)。
アブドゥラヒヤーン外相は、ジャイシャンカール外相とも経済貿易関係拡大の可能性などについて2度の会談を行い、両国間の戦略的関係を促進するためのロードマップ構築の必要性を強調した。また、アフガニスタンへの経済的支援の必要性を強調し、「同国での包摂的な政府の形成は、全ての民族グループと派閥が自国の運命を決定する役割を果たすための最も重要なアプローチだ」とした。
ジャイシャンカール外相は、両国の合同経済委員会をできるだけ早く開催し、経済貿易協力に弾みをつける必要性を強調し、必要に応じて事務をフォローする作業部会の形成についても言及した。同外相はさらに、チャバハール港や他の物流ルート、共通の地域回廊の発展のための両国間の協力の重要性についても述べた。
最後に両外相は、戦略的協力のロードマップ構築のため、あらゆるレベルで両国の当局者間の協議を継続するとした(6月8日付イラン外務省、6月8日付IRNA)。
アブドゥラヒヤーン外相はまた、アジット・ドバル国家安全保障担当補佐官とも会談した。同補佐官は、両国関係の拡大の必要性を強調するとともに、戦略委員会の結成を提案し、インド政府があらゆるレベルで両国間の関係を発展させる用意があると表明した。
アブドゥラヒヤーン外相は、特にチャバハール港の利用促進、投資、貿易、教育および研究開発の分野における関係を拡大するというインドの提案を歓迎し、イランもまた、インドとの関係拡大に制限はないとした。また、両国間の安全保障における協力のさらなる拡大と、テロ対策とアフガニスタン支援のための2国間および地域レベルでの協力を求めた(6月9日付IRNA)。
(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)
(イラン、インド)
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