5月のインフレ率、前年同月比7.8%を記録、エネルギーコスト上昇が影響
(アイルランド)
ロンドン発
2022年06月14日
アイルランド中央統計局(CSO)は6月9日、5月の消費者物価指数(CPI)上昇率を前年同月比7.8%と発表、38年ぶりに最高の上げ幅となった。エネルギーコストの上昇により、住宅や水道光熱費、燃料の価格が大きく上昇していることがCPIの記録的な上昇の要因となっている。
電力・ガス供給会社は卸売価格上昇のため、5月から相次いで値上げを実施した。そのため、5月のエネルギー価格は前月比9.8%増、前年同月比56.7%増と急騰している。電力価格は前年同月比40.9%増、ガス価格は57.1%増、家庭用暖房向け灯油価格は2倍以上になっている。また、5月の住宅価格は、前年同月比11.2%増となった。欧州中央銀行(ECB)は6月9日、7月に政策金利引き上げを決定、9月以降もさらなる利上げの可能性を示した(関連ブラック ジャック やり方)。そのため、今後数カ月でアイルランドの住宅価格は上昇する見込みとされている(「アイリッシュ・タイムズ」紙6月9日)。
CSOは4月のモノ・サービスの平均価格を併せて発表した。ガソリンの平均価格は1リットル当たり1.81ユーロ(前年同月比23.9%増)、軽油の平均価格は同1.89ユーロ(同40.1%増)となった。食品では、食パン(800グラム)が前年同月比約12セント増(1ユーロ=100セント)、パスタ(500グラム)が約19セント増、ジャガイモ(2.5キログラム)が約29セント減、飲料については、ビール(500ミリリットル)が約28セント増、リンゴ酒(500ミリリットル)が約14セント増となった。6月9日付「アイリッシュ・タイムズ」紙によると、食品と非アルコール飲料価格全体では4.5%増となった。
急激なインフレを受け、パスカル・ドノフー財務相は対策として価格上限を導入する考えはないとした(「RTE」6月9日)一方で、生活費上昇に対応するための予算を準備しているとした(6月10日付政府発表)。
(島村英莉、尾関康之)
(アイルランド)
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