ヘルスケアやエネルギー分野に投資機会、ブラック ジャック ブラック クイーン
(南アフリカ共和国、日本)
中東アフリカ課
2022年06月15日
ブラック ジャック ブラック クイーンは5月26日、在日南アフリカ共和国大使館と共催で「南アフリカのビジネス環境と有望分野」をテーマに、ウェビナーを開催した。
最初に登壇したブラック ジャック ブラック クイーン・ヨハネスブルク事務所の石原圭昭所長は、南アのビジネス環境について、金融システムの安定や、製造業の集積などを強みに、同国がアフリカ市場のゲートウエーになっている点を挙げた。欧州などの投資家が南ア企業を買収し、そこからアフリカ域内に展開する流れが定着しており、海外直接投資(FDI)のプロジェクト数では域内1位に立っているという。一方、同国のビジネス上のリスクとして、2021年7月に起きたダーバンでの暴動()など、政治・社会面での不安定性を挙げたほか、人件費の高さや、慢性的な電力不足が課題だと述べた。また、最近では日本企業の新規駐在員のビザ取得に大幅な遅延が発生していることが大きな問題となっていると指摘。南アでは、不法就労を含めて外国人労働者が多く集まっているが、それに反発する国内世論の高まりや、汚職のまん延が背景にあり、プロセスの見直しが行われていることによるものと説明した。
続いて講演した南アフリカ共和国貿易産業競争省投資庁(DTIC)のサディック・ジャファー氏は、ヘルスケア分野とエネルギー分野を南アにおけるビジネスの注目産業として挙げた。ヘルスケアについては、抗新型コロナウイルスワクチン製造のほか、放射性医薬品や医療機器の発展、域内のバリューチェーン構築に積極的に取り組んでおり、外国企業にとっても投資機会になると説明した。エネルギー分野については、南アは陸上風力や太陽光のほか、水素製造に必要なプラチナなど豊富な再エネ資源を有しているものの、国内エネルギーの75%が石炭火力に依存していることを示し、同国の再エネ市場はまだまだ発展途上とした。その上で、独立発電事業者(IPP)による再エネ事業が進められていることなどに触れ、民間セクターの投資機会が広がっていることを示した。
(梶原大夢)
(南アフリカ共和国、日本)
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