カンボジア初の電動三輪車組み立て工場が正式にオープン
(カンボジア)
プノンペン発
2022年06月03日
韓国系シンガポール企業MVL(注1)の子会社であるOnion Mobilityは5月24日、カンボジアで初となる電動トゥクトゥク(三輪車)の組み立て工場の開所式を行った。同工場は、首都プノンペンから約50キロ離れたカンダール州にあるスワンナプーム経済特別区内に位置し、敷地面積は約2万平方メートル、投資額は2,000万ドルの規模となる。同社は、2023年末までに3,000台の電動三輪車を製造し、国内販売のみならず隣国への輸出も計画している(特集:実写 版 ブラック ジャック実写 版 ブラック)。工場は既に稼働しており、製造された電動三輪車はMVLが運営する配車サービスに供給されている。また、同社は現在、ガソリンスタンドと協力し、充電ステーションをプノンペン市内に10カ所設置している(注2)。
開所式で、Onion Mobilityのケイ・ウーCEO(最高経営責任者)は今後の事業計画として、2023年に電動バイク、2024年に電動自動車(EV)の製造をそれぞれ開始する予定と発表した。また、開所式では、同社の事業拡大に向けて、韓国の自動車部品メーカーであるセントラル・コーポレーションとの間で低コストな小型電動トラックの開発についての覚書が締結された。
また、MVLに出資する韓国系ベンチャーキャピタルのSVインベストメントは開設式でスピーチを行い、MVLのビジネスモデルに注目しているとした。同社はブロックチェーン技術を活用し、配車サービスを通じて得た車両の運行状況などのトランプ ゲーム ブラック ジャックを他の事業へ活用することで収益を確保している。そのため、ドライバーから手数料を徴収しないことが他の配車サービスにない特徴だ。
カンボジア政府が2050年までのカーボンニュートラル実現を目標に掲げる中、主要な交通手段であるトゥクトゥクの電動化を皮切りに、車両の電動化を牽引する同社の取り組みに期待がかかる。
(注1)MVLは2018年、韓国人CEOのケイ・ウー氏がシンガポールで設立したスタートアップ企業。現在、シンガポールのほか、カンボジア、ベトナムに拠点を置く。なお同社は、カンボジア法人として、Onion Mobilityのほか、MVLTADA Cambodiaを擁する。MVLTADA Cambodiaは、2019年5月にカンボジアで配車サービスを開始した。現在、首都プノンペンおよびシェムリアップ州でサービスが利用可能。
(注2)10カ所のうち、4カ所はOnion Mobilityが設置。残りの6カ所はガソリンスタンドと提携して設置している。なお、一部の充電ステーションは建設中。
(井上良太)
(カンボジア)
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