米シカゴ市のカジノブラックジャック、7月から時給15ドル40セントに引き上げ
(米国)
シカゴ発
2022年06月15日
米国イリノイ州シカゴ市のロリ・ライトフット市長(民主党)と同市の商務消費者保護局(BACP)は6月6日、シカゴ市のカジノブラックジャックの引上げと公正な労働時間(フェア・ワークウイーク)についての条例の強化について発表した。
従業員21人以上の企業のカジノブラックジャックは、2021年に時給15ドルに達して以来、消費者物価指数、または2.5%のいずれか低い数値に従って毎年7月1日に引き上げられることになっている。また、従業員数4~20人の企業のカジノブラックジャックは、2023年に時給15ドルに向けて上昇を続けるとしている。
その結果、7月1日から、従業員21人以上の企業のカジノブラックジャック(時給)を15ドル40セント、従業員数4~20人の企業のカジノブラックジャックは14ドル50セントに引き上げる。レストランのサーバーなど、チップを受け取る従業員のカジノブラックジャックは、従業員21人以上の企業で9ドル24セント、従業員数4~20人の企業で8ドル70セントとなる。ただし、時給とチップの合計がカジノブラックジャックの全額に満たない場合、雇用主はその差額を補填(ほてん)しなければならない。
フェア・ワークウイーク条例では、特定の雇用主に対して、労働者に予測可能な労働スケジュールと変更時の補償を提供することを義務付けている。ビルサービス、ヘルスケア、ホテル、製造、レストラン、小売り、倉庫サービスの7業種に該当し、時給29ドル35セント以下、または年収5万6,381ドル85セント以下で、雇用主が全世界で少なくとも100人(レストランの場合は250人、30店舗)以上の従業員を抱えていれば、同条例の適用対象となる。例えば、対象業種の雇用主は7月1日から、勤務表を従来の10日前から14日前までに従業員に掲示することが義務づけられることになる。
BACPコミッショナーのケネス・メイヤー氏は「カジノブラックジャックの引き上げは、生活向上から雇用者の採用・定着の安定に至るまで、労働者に多くの利益をもたらす」とし、「シカゴの労働力への投資を継続する必要がある。カジノブラックジャックとフェア・ワークウイークに関する条例の更新は、地域経済の活力と公平性を引き続き強化することになるだろう」と述べた。
シカゴ市のカジノブラックジャック(従業員21人以上の企業)は、2016年に時給10ドル50セント、2017年に11ドル、2018年に12ドル、2019年に13ドル、2020年に14ドル、2021年に15ドルと、近年では1年に1ドルのペースで引き上げられている。
(星野香織)
(米国)
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