独メルク、江蘇省蘇州市に半導体材料の生産拠点を新設

(中国、ドイツ)

上海発

2022年06月08日

ドイツの化学品大手メーカーのメルクは5月31日、江蘇省蘇州市への半導体材料の生産拠点新設について、同市政府との契約調印式を行った。工業団地である揚子江国際化学園(注)に半導体向け薄膜材料および電子特殊ガス工場を建設するとともに、化学品倉庫とともに運営センターも設置し、半導体サプライチェーンを強化する。

新拠点の敷地面積は約69ムー(1ムー=667平方メートル)。投資総額は5億5,000万元(約105億円、1元=約19円)で、メルクが中国で展開するエレクトロニクス事業の中で単独投資として最大規模のプロジェクトという。同社は2022年年初、エレクトロニクス分野において、2025年までに少なくとも10億元の投資実施計画を発表していたが、今回の投資はその一環としている(「第一財経」5月31日)。

メルクはエレクトロニクス事業において、上海市と蘇州市に計3カ所の生産拠点を構えており、中国の半導体関連企業100社以上に約150種類の製品を供給している。半導体材料の需要増に対応し、特に半導体企業が集中する長江デルタでのビジネスを拡大している。

加えて、メルクは4月末、バイオテクノロジ事業について、江蘇省無錫市にある既存拠点の増設計画を明らかにした。今後6年以内に約1億ユーロの追加投資を実施し、無錫拠点を同社の世界三大製造基地の1つとする計画だ。

(注)蘇州市が所轄する張家港市に位置する。

(劉元森)

(中国、ドイツ)

ビジネス短信 1338d88312fa4930