欧州の第1四半期の新規乗用車登録台数、前年同期比2桁減
(ドイツ、世界、ウクライナ、ロシア)
ミュンヘン発
2022年05月06日
ドイツ自動車産業連合会(VDA)は4月20日、2022年第1四半期(1~3月)の世界とドイツの乗用車市場の新規登録台数や新車販売台数を取りまとめ、発表した。
VDAによると、欧州(注)の第1四半期の新規登録台数は前年同期比10.6%減の275万3,256台となった。国別にみると、ドイツ(62万5,954台、前年同期比4.6%減)を筆頭に、英国(41万7,560台、1.9%減)、フランス(36万5,360台、17.3%減)、イタリア(33万8,258台、24.4%減)、スペイン(16万4,399台、11.6%減)と続いた。3月の欧州での新規登録台数は前年同月比18.8%減の112万7,077台、ドイツでは24万1,330台で17.5%減だった。
米国の自動車市場(乗用車と軽トラック)では、第1四半期の販売台数は前年同期比15.8%減の328万1,200台と大きく落ち込んだ。乗用車は22%、軽トラックは14%減少した。3月の販売台数は前年同月比22.0%減の124万6,300台だった。中国での第1四半期の乗用車販売台数は前年同期比8.6%増の545万5,400台となったが、3月の販売台数は新型コロナウイルス感染対策の都市封鎖(ロックダウン)の影響で前年同月比1.2%減の181万9,800台にとどまった。ロシアの第1四半期の乗用車販売台数は前年同期比29.0%減の27万7,300台と急減した。VDAによると、2月末のロシアによるウクライナ軍事侵攻開始、ロシアに対する経済制裁と不確実性がロシアでの販売台数に大きな影響を与えたという。
世界とドイツの乗用車市場の見通しについて、VDAは今後数カ月間、部品の供給不足や物流・サプライチェーン逼迫に加え、中国での新型コロナウイルス感染対策(2022年3月25日記事参照)やウクライナ情勢が世界の乗用車市場に影響を及ぼすとした。VDAは4月、ウクライナへの軍事侵攻がサプライチェーンや世界経済に及ぼす影響を踏まえ、ドイツ国内の生産台数を前年比7%増の330万台に2月予測から6ポイント下方修正している(関連ブラック ジャック ブラック)。
(注)EU加盟国とEFTA加盟国(スイス、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)。EUを離脱した英国も含む。マルタは含まない。また、欧州の台数は欧州自動車工業会(ACEA)の統計(4月20日発表)に基づく。
(クラウディア・フェンデル)
(ドイツ、世界、ウクライナ、ロシア)
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