4月の失業率は3.9%、48年ぶりの低水準

(オーストラリア)

シドニー発

2022年05月23日

オーストラリア統計局(ABS)は5月19日、4月の雇用統計を発表し、失業率(季節調整値)が3.9%だったと明らかにした。前月(改定値)からは横ばいだったが、1974年8月以来の最低水準を記録した。

就業者数は、パートタイム労働者が8万8,400人減少したものの、フルタイム労働者が9万2,400人増加し、全体では前月からほぼ横ばいの1,340万1,700人となった。失業者数は1万1,000人減少し、前月比2.0%減の53万7,100人だった。月間総労働時間は前月比1.3%増の18億3,300万時間と増加したが、労働参加率は0.1ポイント減の66.3%と微減した。また、不完全雇用率は0.2ポイント低下の6.2%、労働力の未活用率は0.3ポイント低下の10.0%とどちらも改善し、いずれも2008年以来の低水準に達した。

失業率を州別にみると、タスマニア州(0.7ポイント改善の3.8%)で大きく改善したほか、西オーストラリア州(0.5ポイント改善の2.9%)、南オーストラリア州(0.4ポイント改善の4.5%)、ニューサウスウェールズ州(0.4ポイント改善の3.5%)、首都特別地域(0.3ポイント改善の3.1%)で改善がみられた。一方、クイーンズランド州(0.5ポイント悪化の4.5%)、ビクトリア州(0.1ポイント悪化の4.2%)、北部準州(0.1ポイント悪化の4.1%)では悪化した。

ABSは「労働時間の増加は、3月に発生した洪水の影響を受けたニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州での回復を反映している」と分析した。一方で「新型コロナウイルスのオミクロン型変異株の感染拡大による影響が続いており、病気休暇取得によって労働時間が短縮された労働者が引き続き多い」と説明した。

(住裕美)

(オーストラリア)

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