2021年のスタートアップに関するレポートを発表、開業数が増加
(ドイツ)
デュッセルドルフ発
2022年05月11日
ドイツのスタートアップエコシステム全体に関する無料 ゲーム ブラック ジャックサービスを提供するスタートアップ・ディテクターは2022年4月末、2021年のドイツにおけるスタートアップ(注1)の開業数やスタートアップへの投資などに関するレポートを発表した。同レポートは今回が3回目の発行となり、50万件以上の商業登記簿のデータを分析したもの。開業数は、2020年に新型コロナ禍の影響で減少していたが、2021年には前年比11.2%増の3,348件だった。
連邦州別の開業数をみると、ベルリン州が747件と全体の22.3%を占め、前年と同様に最多だった(添付資料図1参照)。次いで、前年と同様にバイエルン州(613件、シェア18.3%)、ノルトライン・ウェストファーレン(NRW)州(571件、シェア17.1%)が続いた。
業種別に開業数をみると、ソフトウエア、ヘルスケア、Eコマースが上位だった。新型コロナ禍の影響で2020年は追い風を受けたとみられるEコマースは、一転、前年比7.7%減の338件となった(添付資料図2参照)。他方、特に環境技術分野での開業数は、前年の41件から100件と著しく増加した。レポートは、これは現在の気候危機やそれに伴う社会の変化が、創業の動機となったとみられると分析した。
ビジネスモデル別に開業数をみると、SaaS(注2)が前年比24.7%増の1,637件(シェア48.9%)、生産・製造が22.3%増の718件(シェア21.4%)と続き、合計で70%を占めた。対象顧客に関しては、前年同様、B2Bのスタートアップ(1,665件)がB2Cのスタートアップ(1,493件)を上回った。
2021年に投資を受けたスタートアップ数は2,087件で前年比27.2%増だった。新型コロナ禍の影響で2020年第2、第3四半期には投資件数が減少していたが、2021年は力強く回復した。
業種別にみると、ヘルスケア、ソフトウエア、Eコマースが上位を占め、特にEコマースへの投資は前年の139件から231件に増えた(添付資料図3参照)。なお、投資を受けたスタートアップの所在地を州別にみると、上位3州はベルリン州、バイエルン州、NRW州となり、開業数が多かった州と同様の順位となった。
管理職に女性が1人以上いるスタートアップの割合は2019年に18%、2020年に19%だったが、2021年は20.2%と初めて20%を超えた。管理職の平均年齢は前年と同様に35歳強だった。
(注1)同レポートではスタートアップの定義を、創業から10年以内で、(1)株式会社や有限会社などの法人として商業登記簿に登記され、(2)革新的なビジネスモデル、製品またはサービスを提供し、(3)高い成長可能性がある、とした。
(注2)SaaSとはSoftware as a Service(サービスとしてのソフトウエア)の略。事業者はインターネット経由でソフトウエア・アプリケーション機能を提供し、多くの場合、システムの管理および運用、利用者に対するヘルプデスク業務も付随するサービスの形態。
(ベアナデット・マイヤー、作山直樹)
(ドイツ)
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