萩生田経産相、米国と半導体サプライチェーンなどで協力を確認

(米国、日本)

ニューヨーク発

2022年05月06日

訪米した萩生田光一経済産業相は5月4日、米国のジーナ・レモンド商務長官、キャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表、ジェニファー・グランホルム・エネルギー長官らとそれぞれ会談した。

レモンド商務長官とは、2021年11月に設立に合意した「日米商務・産業パートナーシップ(JUCIP)」(2021年11月15日記事参照)の第1回閣僚級会合を開催した。米商務省と経済産業省が発表したファクトシート(英語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)日本語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))によると、両氏は、JUCIPの下での継続的な協力と具体的な成果が日米経済政策協議委員会(経済版2プラス2、2022年1月25日記事参照)の礎になるとの認識で一致した。両氏は半導体、輸出管理などの分野における日米協力の進展と今後について議論した。半導体分野では、「半導体協力基本原則」(英語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)日本語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))を共同策定した。同原則の下、半導体製造能力の多様化や透明性の向上、有事の際の対応、半導体研究開発と労働力開発など、サプライチェーン強化に係る協力を進める。また、輸出管理の分野では、輸出管理協力に関する協力計画を共同策定した。現在および今後あり得る輸出管理制度の動向、機微なデュアルユース技術、深刻な人権侵害に利用され得る先端技術に関する協議を強化する。また、ロシアのウクライナ侵攻を踏まえた対ロシア制裁での協力にも言及した。

タイUSTR代表との会談では、市場歪曲的措置に対処し、公平な競争条件を確保するための連携を確認した。また、インド太平洋地域への米国の関与のあり方などについて議論し、第12回WTO閣僚級会合(MC12)に向けた日米間の協力を確認した。USTRの声明によると、タイ代表はバイデン政権が準備を進める「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」について最新の状況を伝えた。

グランホルム長官との会談では、世界のエネルギー安全保障環境や日米間のエネルギー協力関係の強化、気候変動対策について話し合われた。共同声明(英語外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます日本語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))によると、両閣僚は新たに「日米クリーンエネルギー及びエネルギー安全保障イニシアチブ」を設置し、今後関連分野での共同研究開発など定期的に対話を行っていくことで合意した。また、ロシアのウクライナ侵攻によるエネルギー制約緩和のため、米国の液化天然ガス(LNG)生産の重要性に対する認識でも一致、LNGの安定的かつクリーンな供給のため、両省はLNG生産の際に排出されるメタンガスの排出削減対策協力を行っていくとしている。さらに、両閣僚間で、炭素回収利用貯蔵(CCUS)/カーボンリサイクル協力覚書が結ばれた(英語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)日本語PDFファイル(外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます))。

(宮野慶太、甲斐野裕之)

(米国、日本)

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