4月の自動車生産販売、上海の新型コロナ感染拡大などで大幅減

(中国)

上海発

2022年05月18日

中国自動車工業協会(CAAM)が5月11日に発表した4月の自動車販売台数外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますは前年同月比47.6%減の118万1,000台、生産台数は同46.1%減の120万5,000台だった。販売、生産とも大幅に減少し、ここ10年間で4月としては最低の水準となった。

4月の自動車市場についてCAAMは、4月以降、国内で新型コロナウイルスの感染が拡大して、経済の下押し圧力が増大し、自動車産業のサプライチェーンも、歴史的にみて最も困難な事態に直面したと指摘した。具体的には、一部の企業は生産を停止、物流や輸送が大きな制約を受け、生産および供給能力が急速に低下したとしている。

一方、新エネルギー車は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けながらも、販売・生産ともに依然として前年同月を上回る水準を維持している。

自動車販売台数の内訳は、乗用車が前年同月比4.4%減の96万5,000台、商用車が60.7%減の21万6,000台、新エネルギー車は44.6%増の29万9,000台だった。1~4月の新エネルギー車の販売台数は前年同期比2.1倍の155万6,000台で、新エネルギー車の販売台数が自動車販売台数全体に占める割合は20.2%となった。

また、市場信息聯席会(CPCA)は5月10日、4月の全国乗用車市場分析外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを発表。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて輸入部品が不足したこともあり、長江デルタ地域の部品サプライヤーは必要な部品を供給できず、一部企業は完全に操業を停止したと分析した。さらに、物流の効率低下と輸送時間の増大などにより生産活動をスムーズに行うことができず、上海市の5つの主要自動車メーカーの生産台数は3月比で75%減少、吉林省長春市の主要合弁自動車メーカーの生産は54%減少した。その他の地域の生産台数も38%減少した。CPCAは、上海の部品(生産)システムが中国全土に与える影響が明確となったと説明している。

(侯恩東)

(中国)

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