中小・ベンチャー企業部がIDBとMOU締結、中南米市場でスタートアップ企業を共同支援

(韓国、中南米)

ソウル発

2022年05月06日

韓国中小・ベンチャー企業部は4月28日、米州開発銀行(IDB)との間で「中小・ベンチャー企業部とIDBの協力業務協約(MOU)」を締結したと発表した。両者で共同ファンドを造成し、韓国スタートアップ企業の中南米進出支援や創業政策などナレッジベースのODA事業を発掘することが目的(注1)。

同部のカン・ソンチョン次官は「韓国と中南米の間で、スタートアップ関連のジョイントベンチャー(JV)設立が活性化している中(注2)、中小企業の成長戦略を担う中小・ベンチャー企業部とIDBが協力し、韓国企業の中南米進出のモメンタムを積極的に提供する」と述べ、さらに、「IDBとは、政策交流、ODA事業の発掘や企業間交流など、中南米の発展に資する協力を進めていく潜在的需要が多い」とMOUの意義を強調した。

今後、同部とIDB傘下の「IDB Lab外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます」(注3)との間で共同ファンドの組成に関する具体的協議を開始し、スマートファクトリー、電子商取引、技術信用評価制度などの分野で中南米地域での事業発掘を模索する。

(注1)MOUは、(1)スタートアップ企業への資金支援のためのベンチャーファンドの造成、(2)デジタル化、グリーンなどの共同事業の実施、(3)協力事業の推進に向けた専門家交流プログラムの推進や訓練プログラムの設置、(4)気候変動や、女性など弱い立場の階層に関連した問題の解決に向けた包摂的技術に関する知識の共有などで構成されている。

(注2)2021年のJV設立の事例として、(1)アバンカルゴ(アルゼンチン)‐ココナッツサイロ(韓国)、(2)ホイールザワールド(チリ)‐ドット(韓国)、(3)プロキシミティ(ペルー)‐バーネクト(韓国)など、5例があった。

(注3)IDBによる100%出資の機関で、中南米地域の小規模事業の開発のため、革新企業への投融資のほか、ベンチャーキャピタルファンドへの出資も行う。

(当間正明)

(韓国、中南米)

ビジネス短信 532b50dca52ae9b2