帝人、米インディアナ州で操業する炭素繊維複合材料工場を拡張

(米国)

シカゴ発

2022年05月20日

帝人グループのテイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(本社:米国ミシガン州オーバーンヒルズ)は5月12日、米国インディアナ州ハンティントンにある生産拠点の機能拡張工事を開始したと発表した。

同社は2019年、ゼネラルモーターズ(GM)と共同開発した、熱可塑性炭素繊維複合材料(Carbon Fiber Reinforced Thermoplastics:CFRTP)の量産を同拠点で開始している(2019年5月10日記事参照)

今回の拡張工事に際し、同社は土地の購入や建物、設備などに1億ドルを投じる予定だ。今回の拡張工事は、塗装ラインと組立エリアを新たに追加するもので、圧縮成形や接着、ウォータージェット、サンディングなどの機能を備えた既存の生産施設(約3万3,000平方メートル)の州道を挟んだ向かい側に建設される。全ての設備や機器の設置は2023年12月までに完成する予定で、2024年4月の操業開始時には約110人、フル稼働時には200人以上の雇用を見込んでいる。

生産拠点の拡充先にハンティントン地域を選定した理由として、同社は、熟練労働者の確保のしやすさ、同州および周辺州の多くの既存および潜在顧客施設との距離、インディアナ州経済開発公社(IEDC)の経済発展プログラム「EDGEプログラム(Economic Development for a Growing Economy)」による税額控除などを挙げている。

同社がハンティントン工場で生産している炭素繊維複合材料は、鉄の10倍の強度を持つ上、軽量であることから、自動車の低燃費化を進める上で、鉄の代替材料としての需要が見込まれている。同社の製品は、自動車のボディ部分や、ピックアップトラックの荷台、電気自動車(EV)向けのバッテリーのカバーなどに採用されている。

同社のスティーブ・ルーニー最高経営責任者(CEO)兼事業本部長は「当社の革新的な軽量化部品への需要が高まる中で、われわれは現在および将来の顧客ニーズに対応するために、生産能力増強のチャンスを得た」と意気込んでいる。

(星野香織)

(米国)

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