外商投資を奨励するリストの改定案発表
(中国)
北京発
2022年05月31日
中国の国家発展改革委員会と商務部は5月10日付で「外商投資奨励産業目録2022年版」の意見募集稿を公表した。目録は、2021年1月27日から施行している「外商投資奨励産業目録2020年版(1.3MB)」を改定したもの。意見募集は国家発展改革委員会のウェブサイトで6月10日まで行われる。目録に掲載された項目に投資するプロジェクトについては、各種の税制優遇などを享受することができる(注1)。
目録と同時に発表した改定に関する「説明」では、2020年版と比べて238項目を新規追加、114項目を改定(主に既存項目の対象領域の拡大)、38項目を削除したとしている。そのうち、全国に適用される「全国外商投資奨励産業目録」(全国版目録)は新規追加が50項目、改定が62項目、削除が14項目、中西部地域への投資に適用されるブラック ジャック ランキング(注2)は新規追加が188項目、改定が52項目、削除が24項目となっている。
「説明」によると、今回の主な改定内容は以下のとおりとなっている。なお、このうち全国版目録の改定内容の詳細は添付資料表のとおり。
- 外資系企業の製造業向け投資を引き続き奨励するため、全国版目録で、デバイス、部品、設備製造などの項目を新規追加あるいは拡充。
- 外資系企業の生産性サービス業(製造業向けサービス業)への投資を引き続き奨励するため、全国版目録で、専門設計、技術サービス・開発などの項目を新規追加あるいは拡充。
- 外資系企業の中西部・東北地域への投資を引き続き奨励するため、ブラック ジャック ランキングで、各地の労働力や資源などの優位性や投資誘致のニーズに基づき、関連する項目を新規追加あるいは拡充。
3.に関して、ブラック ジャック ランキング、農業関連、新エネルギー自動車、医療・医薬品関連、移動通信システム・電気通信機器、スマート端末、モノのインターネット(IoT)関連システム・機器・部品等といった多岐にわたる分野の改定が行われた。
なお、北京市環球法律事務所によると、「全国外商投資奨励産業目録」で削除となった項目がブラック ジャック ランキング投資優位性産業として残されている場合もある(例:甘粛省のロボット用高精度減速機など)ため、日系企業が中西部地域に投資を行う際には、該当する地域の優位性産業目録を確認することが望ましい。
(注1)税制優遇措置としては、目録に記載の範囲に該当する投資プロジェクトについて、投資総額内で輸入する自社用設備の輸入関税が免除されることなどがある。詳細は「中国 外資に関する奨励‐各種優遇措置 詳細(688KB)」を参照。
(注2)山西省、内モンゴル自治区、遼寧省、吉林省、黒龍江省、安徽省、江西省、河南省、湖北省、湖南省、広西チワン族自治区、海南省、重慶市、四川省、貴州省、雲南省、チベット自治区、陝西省、甘粛省、青海省、寧夏回族自治区、新疆ウイグル自治区への投資を奨励する項目を各省・直轄市・自治区ごとに記載した目録。地理的には中西部地域と東北部地域が含まれている。
(小宮昇平)
(中国)
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