中銀が5会合連続で利上げ、政策金利は2.00%に

(ニュージーランド)

シドニー発

2022年05月27日

ニュージーランド準備銀行(RBNZ、中央銀行)は5月25日、政策金融委員会を開催し、政策金利を0.50ポイント引き上げ、2.00%とすることを決定した。5会合連続の引き上げで、政策金利は2016年11月以来の水準となった。

RBNZは、理由について「物価を安定化し、持続可能な最大限の雇用を支援するため、金融引き締めを継続することが適切だと判断した」と説明した。特に、「消費者物価指数(CPI)が確実に目標範囲内(1~3%)に戻るよう断固として取り組む」と強調した。また、「早期かつ大幅な利上げは、インフレが継続するリスクを軽減するとともに、世界経済の不確実性が非常に高まる中、政策の柔軟性をより高めることになる」と説明した。

今後の経済見通しについては「家計や企業のバランスシートの強さ、政府の継続的な財政支援、好調な輸出に支えられて、ニュージーランド経済は底堅さを維持しており、新型コロナウイルス関連規制の緩和によって飲食業や観光業などの経済活動も回復している」と強調した。ただし、「労働力不足によって生産能力は制約されており、インフレ圧力も継続している」と懸念を示した。ニュージーランド統計局によると、2022年第1四半期(1~3月)のCPIは前年同期比で6.9%上昇し、1990年第2四半期(4~6月)以来の高水準を記録した。

(住裕美)

(ニュージーランド)

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