道路品質の評価に市民の声を反映
(カザフスタン)
タシケント発
2022年05月31日
カザフスタン産業インフラ発展省傘下の道路委員会は5月18日、カザフスタンの地域ごとの道路インフラの品質を評価するランキング指標を導入すると発表した(産業インフラ発展省道路委員会ウェブサイト5月18日)。
評価は主に道路利用者へのアンケート結果に基づいて行われる。道路の品質に関連するソーシャルネットワーク上での市民のやり取りや、メディアに掲載されたネガティブな内容がモニタリングされ、評価に反映される。資材や工事の品質については専門家の評価による。評価は上半期と下半期の年2回行われる予定。
アジアと欧州を結ぶ位置にあるカザフスタンは、物流環境整備の一環として道路インフラ建設に力を入れる一方で、その品質維持が課題となっている。厳しい気象条件による路面の早期劣化に加え、道路建設の専門家不足(インフォームビューロー3月26日)、道路建設・管理会社と地方行政の汚職、気象条件に適した工法・建材の不採用、質の低い設計ソリューション、作業現場の監督不行き届きなどの人為的な要因も指摘されており(インフォームビューロー4月20日)、地域住民の不満の声が後を絶たない。5月17日に開催された閣僚会議でも、道路委員会が行った建設資材のサンプル調査で約15%が品質基準に適合していなかったと報告されている。新しい評価手法導入により共和国構成体が行う地方道路の整備施策の効果を判定する。
カザフスタン政府は2022年度予算において、ロシア、中国、および中央アジア諸国から自国のカスピ海東岸の港を経てコーカサス、欧州に抜けるための1万1,500キロの輸送道路などの整備に6,010億テンゲ(約1,863億円、1テンゲ=約0.31円)を割り当てている。
(増島繁延)
(カザフスタン)
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