ライーシー・イラン大統領がオマーン訪問、12の協力文書に署名
(イラン、オマーン)
テヘラン発
2022年05月25日
イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領は5月23日にオマーンを訪問し、ハイサム・ビン・ターリク・アル・サイード国王と会談した。2020年1月の同国王即位以来、イランの大統領が同国を訪問したのは初めてとなった。
今回の訪問はハイサム国王の招待によるもので、ライーシー大統領にとっては、就任後9カ月間で5回目の外国訪問となった〔5月23日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。
ライーシー大統領は会談で、オマーンを「正直で信頼できる友人」とし、両国関係、特にビジネス面での関係発展について述べ、「この発展をさらに進めるには、包括的な計画を立てなければならない」とした。ハイサム国王は「両国間の貿易量は、テヘランとマスカットの政治的関係のレベルに見合ったものではない」と述べ、「これらを促進するために、新たな計画と相互の理解が必要だ」とした(5月24日イラン大統領府)。
両国間の貿易について、イラン税関のスポークスマンは「イラン暦1400年(西暦2021年3月21日~2022年3月20日)の両国の非石油部門の貿易は419万トン、13億3,550万ドルで、前年に比べて重量で27%、価格で53%増加した」と述べている(5月23日付IRNA)。
今回の訪問には、アミール・アブドゥラヒヤーン外相、レザー・ファーテミー・アミーン産業・鉱業・貿易相、アリレザ・ペイマンパック貿易振興庁長官らが同行し、政治、経済、外交などの分野で12の協力文書にも署名した(5月23日付IRNA)。
ジャバード・オウジー石油相も、大統領訪問前の21日にマスカットを訪れ、オマーンの高官と会談し、20年近く停滞していたイランからオマーンへのガスパイプライン敷設プロジェクトを復活させることに合意した。さらに、ヘンガーム油田の共同開発についても合意した。ヘンガーム油田はイランとオマーンが共有する唯一の油田で、イランで最も軽質の原油を生産している(5月23日付IRNA、5月23日付IRNA)。
1週間前にも50人のイランの経済界関係者が両国の経済関係強化のためにオマーンを訪問しており、今後の両国関係の発展が期待される(5月23日付IRNA)。
(鈴木隆之、マティン・バリネジャド)
(イラン、オマーン)
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