米エピック・ゲームズ、ソニーなどから20億ドルの資金調達、メタバース事業強化へ
(米国、日本)
ニューヨーク発
2022年04月15日
世界的に人気のオンラインゲーム「フォートナイト」を開発した米国のゲームソフト開発企業エピック・ゲームズは4月11日、ソニー・グループと、玩具大手レゴを運営する投資会社のキアクビ(Kirkbi)から総額20億ドルを調達したと発表した。これにより、同社の企業価値は315億ドルに達した。今回調達した資金は同社のメタバース(仮想空間)事業の拡大に利用する。
エピック・ゲームズはプレスリリースを通じて「われわれ3社はデジタルと物理的な世界のつながりを追求し、新たなソーシャルエンターテインメントの創造を目指す」と述べた。メタバース事業の詳細は明らかにされていないが、当該3社は子ども向けのデジタル体験を構築しながら、安全かつ面白いと思えるメタバースの未来を形成していくとしている。
2021年10月にフェイスブックがメタ・プラットフォームズに社名を変更し、メタバース事業に注力すると宣言して以来、メタバース市場の動向に大きな関心が寄せられている。グーグルやマイクロソフトなどゲーム業界以外の大手企業も、メタバースを積極的に取り入れると表明している。マイクロソフトは2022年1月、ゲーム大手のアクティビジョン・ブリザードを700億ドルで買収すると発表し、同社が支援するゲームやソフトウエアをメタバース内で開発することが可能になった。また、電子商取引(EC)サイトを構築するショッピファイは、メタバース市場の拡大を見据えて、消費者の購買体験に拡張現実(AR)技術を活用し、商品を立体的に表示する取り組みを強化している。
ブルームバーグ・インテリジェンスは、今後さらに多くの企業がこの流れに乗り、世界のメタバース市場は、2020年の約5,000億ドルから2024年には8,000億ドル規模に成長すると予測している。また、調査会社のガートナーによると、2026年までに25%の人々が1日に1時間以上、メタバース上で時間を費やすと推定されている。
(樫葉さくら)
(米国、日本)
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