インフレ抑制、雇用創出、収入保護に焦点を当てた21の経済復旧政策を発表
(チリ)
サンティアゴ発
2022年04月13日
チリのガブリエル・ボリッチ大統領は4月7日、インフレ抑制、雇用創出、収入保護に焦点を当てた、包括的な経済復旧政策(CHILE APOYA)を発表した。21項目ある政策は次のとおり。
- チリ全土における公共交通機関の利用料金を2022年の間、凍結(関連ハイパーブラックジャック)
- ガソリン、石油、パラフィンの価格上昇を抑制
- 液化ガスの価格上昇を抑制
- 高等教育における食糧奨学金を15%増額
- 女性労働者(条件あり)が託児所を利用するための補助金支給〔子供1人当たり月額20万ペソ(約3万760円、1ペソ=約0.15円)〕の適用範囲を2歳から4歳に拡大
- 労働者収入保護(IFE Laboral)を9月まで延長
- 新型コロナウイルスによる感染状況が悪化した場合に、緊急資金によって家庭収入保護(IFE)を自動的に有効にできるよう法案を提出
- パンデミックの影響を受けた文化関連の労働者へ補助金支給
- 6歳から13歳までの子供を持つ女性労働者へ午後4時から7時までの学童保育支援(利用には所得制限あり)
- 地域の介護関連支援サービスの対象地域の拡大
- 高齢者のデイサービス(Cediam)の資金を増やし、対象地域を拡大
- 高齢者の介護施設(Eleam)を全州に設置
- 自治体向けの3億ドルの投資基金を設立
- 失業保険の給付額の改善とアクセス要件の緩和
- 観光、文化、女性起業家に焦点を当てた産業振興公社(CORFO)、技術協力庁(SERCOTEC)を通した支援プログラムの対象範囲の拡大
- 植林プログラムを強化することにより、環境保護を行いながら新規雇用を創出
- 小規模農家や工芸品生産者のためのプロモーション機会を拡大
- CORFOを通じて銀行口座を持たない零細中小企業のための信用アクセスプログラムの強化
- 小規模起業家保証基金(FOGAPE)を利用できない企業らをサポートするための保証プログラムを柔軟化
- 国立鉱業会社(Enami)を通じた小規模鉱業会社への特別な信用枠の設定
- 2022年中に最低賃金を現行の35万ペソから40万ペソまで引き上げ
マリオ・マルセル財務相は「本支援策は、昨今の国内のインフレを助長することなく、その影響によって苦しむ国民の救済に寄与し、主に低所得者層の購買力を高める狙いがある」とコメント。本支援には約37億ドルの資金が投じられ、50万人の雇用創出が見込まれている。
(岡戸美澪)
(チリ)
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