外国人渡航者への新型コロナ対策の入国制限措置を一部緩和
(ブラジル)
サンパウロ発
2022年04月13日
ブラジル政府は4月1日、大統領府官房庁2022年4月1日付共同省令670号を官報に公示し、新型コロナウイルス対策として外国人渡航者が入国する際に取っている制限措置を緩和し、即日施行した。これにより、新型コロナワクチンを所定の回数(注1)接種したとの証明書(注2)を搭乗便の航空会社に対し、搭乗前に提示した場合、RT-PCR検査または抗原検査の陰性結果証明書や渡航者健康状態申告書(DSV)の提示が原則不要になった(注3)。
新型コロナウイルスのワクチン接種証明書が有効と認められるための条件は以下のとおり。
- 国家衛生監督庁(ANVISA)、世界保健機関(WHO)、渡航者が新型コロナワクチンを接種した国の当局が承認したワクチンであること。
- 接種日が記載されており、最終接種日から14日間が経過していることおよび所定の回数の新型コロナワクチン接種を完了していること。
- QRコード形式の新型コロナのワクチン接種証明書などは認められず、渡航者の氏名や新型コロナワクチンの製品名もしくは製造メーカー名、ロット番号、投与日が記載されていること。
- ポルトガル語、スペイン語、または英語で記載されていること。
保健省傘下の国家衛生監督庁(ANVISA)は、3月23日付で新型コロナウイルスに関する入国制限措置の分析結果を発表し、「ブラジルへの入国制限措置の緩和は、これまでの新型コロナウイルス感染対策が拡大抑制に効果を発揮し、ブラジルの公衆衛生上のリスクが徐々に低くなってきたことへ対応するもの」と説明していた。
なお、カーニバルの聖地リオデジャネイロ市やブラジル最大の経済都市サンパウロ市などで開催されるカーニバルのサンバパレードは4月下旬に予定されており、これに先立つタイミングで空路の入国制限措置が緩和された。
(注1)中国シノバック・バイオテック製、英国アストラゼネカ製、米国ファイザー製の新型コロナワクチンはそれぞれ2回接種、ベルギー・ヤンセンファーマ製は1回接種と定めている。
(注2)紙媒体か電子媒体かを問わない
(注3)ワクチン接種が完了していないブラジル人とブラジル国内に居住している外国人、医師の診断によりワクチン接種ができないことを証明できる人、ブラジル保健省が定めるワクチン接種が推奨されていない年齢の子どもは、出発地からのフライト搭乗1日以内に実施されたRT-PCR検査または抗原検査の陰性結果証明書を提示することが求められる。ただ、12歳未満の子どもが入国する場合は同伴者の有無や子どもの年齢、ワクチン接種有無などにより、RT-PCR検査または抗原検査の陰性結果証明書の提示要否に関する条件が異なっている。詳細は4月1日付大統領府官房省令670号(原文:ポルトガル語のみ)、国家衛生監督庁(ANVISA)の4月2日付公式発表(ポルトガル語のみ)も参照のこと。
(古木勇生)
(ブラジル)
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