アイルランド政府、持続可能なモビリティ政策を発表
(アイルランド)
ロンドン発
2022年04月13日
アイルランド政府は4月7日、持続可能なモビリティ政策と2025年に向けた行動計画を発表した。政策については、「安全かつグリーンなモビリティ」「人を重視したモビリティ」「より統合されたモビリティ」の3原則に従い策定。2030年までに温室効果ガス(GHG)排出量を51%削減(2018年比)することを目指し、人々が燃料車の代わりに日常的に徒歩、自転車、公共交通機関を選択しやすい環境づくりを目指す。
主な施策は以下のとおり。
○公共交通機関の車両を低排出ガス車やゼロエミッション車に移行
2019年に行ったディーゼルバスの購入を終了するコミットメントに従い、ゼロ排出車への移行を開始。鉄道では、電化区間の拡大に重点を置く。
○都市部への持続可能なモビリティの利用拡大
5都市(コーク、ダブリン、ゴールウェイ、リムリック、ウォーターフォード)における持続可能なモビリティの可能性を拡大するために、徒歩、自転車、バス、鉄道のインフラの改善、相互乗り入れの改善、公共交通機関のサービスの拡充を実現する。オランダのカーナビゲーション・電子地図サービス企業のトムトムが発表した、世界の都市部の道路混雑レベルを示す「トラフィック・インデックス2021」によれば、アイルランドについては、ダブリン(35位)、コーク(87位)が混雑レベルの高い都市になっている。なお、日本については東京が17位、大阪が34位、名古屋が49位となっている。
このほか、歩行者、自転車、公共交通機関優先に向けた道路スペースの再配分や、住宅開発における交通機関中心のアプローチの採択などの施策が盛り込まれた。
行動計画については、2025年に見直して更新し、2026~2030年の行動計画を導入する予定。また、政策の運用状況と行動計画の実施状況を監督するための新たな機関を設立するとしている。
エネルギー関連の研究・イノベーションプロジェクトへの支援発表
アイルランド持続可能エネルギー庁は4月6日、革新的なエネルギー技術に関する研究開発および実証に対して、2,000万ユーロの政府資金を投入する予定と発表した。これにより、アイルランドのクリーンかつ安定的なエネルギーへの移行加速を支援する。2021年には、電気自動車のバッテリー再利用、データセンターのエネルギー効率に関する研究などを支援した。
(島村英莉)
(アイルランド)
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