米ニューヨーク国際オートショー、3年ぶり開催の目玉はEV
(米国、ベトナム、オーストリア、韓国)
ニューヨーク発
2022年04月28日
北米最大規模の自動車展示会のニューヨーク国際オートショー(NYIAS)が4月15~24日、マンハッタンにあるジャビッツセンターで開催された。2020年と2021年は新型コロナウイルスのパンデミックの影響で中止となり、3年ぶりの開催となった。ホンダやマツダ、BMW(注1)など一部の主要メーカーが参加を見合わせ、来場者数も例年より若干少ない印象だった。そうした中、活況を呈していたのは、各メーカーが出展する電気自動車(EV)だ。NYIASのマーク・シャインバーグ代表は「今年はフロア全体をEV、充電ソリューション、消費者意識向上プログラムに割き、これまで以上にEVの存在感を高めていく」と述べ、例年利用していた2つの主会場を1つに集約し、一方をEV試乗スペースに充てるなど、体験を通じたEVの周知に力を注いだ。
EVについては、ベトナムのビンファストやオーストリアのデウス・オートモービルズなどの新興メーカーが初めて出展した。ビンファストは2024年からノースカロライナ州の新工場で生産を開始する予定だが、米国内の予約注文は既に開始されており、当面は輸入車両を販売していくようだ(2022年4月4日、2022年4月7日記事参照)。また、2020年に設立されたスタートアップ企業のデウスは、世界デビューとなるEV「バイアン」を発表。最高時速399キロ、最高出力2,200馬力を誇る「ハイパーカー」に注目が集まった。既存メーカーの中では、フォードがEVピックアップトラック「ライトニング」を展示し、ガソリン車「F150」の印象を残すフォードに対して、ゼネラルモーターズ(GM)は斬新なデザインのEVピックアップトラック「シルバラード」を披露。ステランティスがクライスラーのコンセプトSUV(スポーツ用多目的車)「エアフロー」、日系メーカーでは、トヨタが「bZ4X」、日産が「アリア」とコンパクトSUVのEVを展示した。
ワールド・カー・オブ・ザ・イヤーは現代のEVに
同催事の中で発表された2022年ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(注2)は、韓国メーカー現代のEV「アイオニック5」に授与された。現代は主会場に専用の試乗特設コーナーを設けるなど、EVのアピールに特に力を入れていた。また、2位に起亜のEV「EV6」が続き、韓国勢の健闘が目立った。
(注1)2019年から不参加。
(注2)世界各国100人以上の専門家による審査で選定。生産台数が年間1万台以上、2021年1月1日から2022年3月30日までに少なくとも2つの異なる大陸、2つの主要市場(中国、欧州、インド、日本、韓国、中南米、米国)で販売中の車両が対象となっている。
(大原典子)
(米国、ベトナム、オーストリア、韓国)
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