米石油大手オクシデンタルと林業大手ウェアーハウザー、ルイジアナ州のCCS事業で提携
(米国)
ヒューストン発
2022年04月06日
米国石油大手オクシデンタルの子会社オキシ・ローカーボン・ベンチャー(本社:テキサス州ヒューストン)と米国林業大手ウェアーハウザー(本社:ワシントン州シアトル)は3月28日、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)プロジェクトの実現に向け、ルイジアナ州リビングストン郡のウェアーハウザー所有地のリース契約に合意したと発表した。
今回の合意により、オキシ・ローカーボン・ベンチャーは、ウェアーハウザーが管理する3万エーカー(約121平方キロ)の土地の地下空間を利用して、炭素貯留施設を開発・運営する独占的権利を得ることになる。オキシ・ローカーボン・ベンチャーは、同土地の石油ガス生産に関連しない地下の地層に産業用CO2を恒久的に貯留し、地上部分はウェアーハウザーが引き続き森林として管理する予定だ。
オキシ・ローカーボン・ベンチャーの子会社の1ポイントファイブにとっては、米国内に一連のCCS拠点を開発するという戦略的構想の第一歩となり、今後、事業を拡大する可能性がある。1ポイントファイブは、米国で緩和が困難な産業部門の脱炭素化を通じて、気候変動対策に変革的な役割を果たすことを目指している。同社はメキシコ湾岸や全米に複数の貯留施設を建設、買収、運営する計画で、そのうちの幾つかは直接大気分離回収(DAC)施設を併設し、製造拠点や発電所などの点源排出者に最大数億トンの人為起源CO2を貯留する容量を提供することが期待されている。
また、ウェアーハウザーにとっては、メキシコ湾岸の土地基盤全体でCCS事業を構築する第一歩となる。ウェアーハウザーは自社所有地の地質データを用いて、米国南部にある700万エーカー(約2万8,000平方キロ)の土地からCCSプロジェクトの候補地を複数特定した。今般のCCSへの進出は、ウェアーハウザーが最近設立した自然気候ソリューション事業を拡大する計画の一環で、同計画にはCCSや森林カーボンオフセット、再生可能エネルギー開発、緩和ソリューション、自然保護などを通じた事業が含まれる。
(沖本憲司)
(米国)
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