イランとカタール、航空・海運、サッカーW杯開催などでの協力に合意
(イラン、カタール)
中東アフリカ課
2022年04月13日
イランとカタールは4月11日、航空や海運、2022年11月21日~12月18日にカタールで開催されるFIFAのサッカーワールドカップ(W杯)などでの協力について、6つの文書に調印した〔2022年4月11日付イスラーム共和国通信(IRNA)〕。今回の合意には、航空分野の教育・技術協力、航空機の捜索救難の協力や、サッカーW杯開催期間中の両国間の旅客便の増便などが含まれている。
これに先立ち、イランのイブラーヒーム・ライーシー大統領は2月21日、イランの大統領として11年ぶりにカタールの首都ドーハを訪問してタミーム首長と会談。航空、貿易、海運、電力などの分野における14の協力文書に調印していた(2022年2月21日付IRNA)。また、直近の4月4日にも両者は電話会談を行い、さまざまな分野の2国間関係のさらなる強化を確認している。
今回は、カタールのジャーシム・ビン・サイフ・アル・スレイティー運輸・通信相がイランのロスタム・ガーセミー道路・都市開発相の招待を受けて、イラン南部に位置するペルシャ湾のキーシュ島を訪問し、会談と調印式を行った。
キーシュ島は国際空港や50以上のホテルを有するリゾート地で、フリーゾーンも設置されている。キーシュ島からドーハは約270キロ、飛行機では約40分の距離だ。ガーセミー道路・都市開発相は「多くのワールドカップ観客がキーシュ島に滞在しながら、カタールに試合を見に行くことができるよう、協力する準備ができている」と述べ、W杯の観客がカタールからイランに入国する際の一時的な査証免除も検討するなど、イランはW杯開催中の観光客の呼び込みに意欲を示している。
そのほかに、協議中と報道されてきた両国間を結ぶ海底トンネルの建設に関し、ガーゼミー道路・都市開発相は会見で「現在、イランとカタールの間で合同委員会を設置し、トンネル建設の実現可能性について評価している」と述べた。
(稲山円)
(イラン、カタール)
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