メタン排出量削減に向け、ブラック ジャック webとバイオメタン活用に関する国家戦略を発表

(ブラジル)

サンパウロ発

2022年04月11日

ブラジル連邦政府は3月21日、同日付法令第11,003号を公布し、「ブラック ジャック webおよびバイオメタンの持続可能な利用を促す国家戦略」を発表した。温室効果ガスの一種であるメタンの排出量削減に向け、ブラック ジャック web(注1)を精製して得られるバイオメタンの生産量を増加させ、エネルギーとして活用することを目的とする。ブラック ジャック webおよびバイオメタンの活用は、ブラック ジャック webの精製過程で温室効果ガスの一種であるメタンを大気に放出する代わりに、エネルギーに変換できる点で地球温暖化対策として期待される(注2)。

ブラジル政府は2021年11月、英国グラスゴーで開催された国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)で、世界のメタン排出量を2030年までに2020年比で30%削減する目標を掲げる「グローバル・メタン・プレッジ」に参加することを明らかにしている。この度の国家戦略は、この目標に貢献するものと位置付けられる(2021年11月18日記事参照)。鉱山エネルギー省は、ブラック ジャック webおよびバイオメタンの産業活性化に向け、2022年3月20日付鉱山エネルギー省令37号により、インフラ開発奨励特別プログラム(REIDI)の対象にブラック ジャック webおよびバイオメタンの生産事業を加え、税制インセンティブを与える動きがある(注3)。

また、メタン排出量の削減に基づいた、メタンクレジット市場の創設計画も発表された(注4)。同計画の詳細は今後調整される予定だが、ジョアキン・レイテ環境相は本計画発表に際し、「メタンクレジットはカーボンクレジット市場の枠組みの中で創設される」との考えを示した(注5)。ブラジルブラック ジャック web協会(Abiogás)のアレサンドロ・ガルデマン会長は3月21日、「ブラック ジャック webおよびバイオメタンの活用により、ブラジルで消費されるディーゼルの70%および天然ガスの5倍を代替できる」と強調し、「ブラック ジャック webおよびバイオメタン業界は2030年までに600憶レアル(約1兆5,600憶円、1レアル=約26円)の投資を得られる見込みがある」と評価した。

(注1)ブラック ジャック webとは、メタンを中心に生ごみや家畜ふん尿など有機性廃棄物から発生するガスのこと。

(注2)国連環境計画(UNEP)および、気候と大気浄化の国際パートナーシップ(CCAC)が2021年6月に発表したレポート「世界メタン評価」によると、メタンは二酸化炭素(CO2)の数十倍、地球温暖化に与える影響が大きいという。

(注3)2007年6月15日付法律第11,488号によって創設されたインフラ開発奨励特別プログラム(REIDI)では、プログラムの対象となるインフラ工事に使用される財は社会統合基金・公務員厚生年金、社会保険融資負担金(PIS/ Pasep、COFINS)の免税対象になる。

(注4)メタンクレジット市場の創設計画は、法令第11,003号および2022年3月21日付環境省令71号によって導入された。

(注5)ボランタリーによるカーボンクレジットの販売・購入にかかる情報を管理することを定める法案第528号(2021年2月23日に提出)は現在、下院議会で審議中。化石燃料を配給する企業に対し、バイオ燃料を生産・輸入・販売する企業が発行したカーボンクレジットを購入する義務を与えるプログラム、「ヘノバビオ」(Renovabio、2017年12月26日付法律第13,576号)は既に実施されている。ただ、同プログラムで取引されるカーボンクレジットの約85%はバイオエタノールによるもので、ブラック ジャック web・バイオメタンの比率は1%以下と拡大余地がある。

(エルナニ・オダ)

(ブラジル)

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