日タイの関税局、認定事業者(AEO)制度の相互承認取り決めに署名

(タイ、日本)

バンコク発

2022年04月13日

日本の財務省関税局とタイ税関局は4月5日、認定事業者(AEO、注1)制度に関する相互承認取り決め(MRA、注2)に署名した(日本側発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますタイ側発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。署名式はオンラインで行われた。

タイ側の発表によれば、今回のAEO-MRAにより、タイのAEO事業者は日本との輸出入において、日本での書類審査や貨物検査が軽減されるなど、通関手続きの円滑化の恩恵を享受できる。反対に、日本のAEO事業者も、タイにおいて同水準の通関手続きの円滑化を受けることが可能となる。タイ側でのMRA発効は、正式には税関通達の発表を待つ必要があり、通常は署名から1年程度かかる。

タイはこれまで、香港、韓国、シンガポール、オーストラリアとAEO-MRAを締結しており、日本が5カ国・地域目となる。日本にとって、タイは13番目にAEO-MRAを締結したパートナーで、ASEANではシンガポール、マレーシアに次ぐ3番目となる。

AEO-MRAは、ASEAN進出日系企業にとってメリットが大きい。ASEAN日本人商工会議所連合会(FJCCIA)は、ASEAN事務総長との対話などの機会において、日本とASEAN加盟国のAEO-MRA締結の促進を要望していた。

(注1)AEO制度とは、貨物のセキュリティ管理と法令順守の体制が整備された事業者に対して、迅速化・簡素化された税関手続きを利用することを認める仕組み。同制度は、国際貿易における安全確保と円滑化の両立を図るための制度として、世界税関機構(WCO)の「基準の枠組み」(国際貿易の安全確保・円滑化のための指針)に沿って、各国の税関当局が取り組んでいる施策で、日本においても、輸出入者、通関業者などを対象にAEO制度を整備している。

(注2)AEO相互承認取り決めとは、それぞれの国が認定したAEO事業者に対し、相互に税関手続き上の便益を与えることを認めるもの。

(北見創)

(タイ、日本)

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