マクロン大統領、再選へ立候補を表明、支持率は急増
(フランス)
パリ発
2022年03月08日
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は3月3日、国民向けの書簡を地方紙上に公表し、4月に行われる大統領選挙への立候補を正式に表明した。この中で、民主主義への脅威や不平等の拡大、気候変動問題など今世紀の課題について、フランスと欧州独自の回答を提示し、世界の変動により脅かされている価値を擁護するために、再選を目指す決意を固めたと説明した。
その上でマクロン大統領は、経済力強化により国の自立性を確立するため、労働と生産に関わる減税路線を続けるとともに、技術上の国家主権を確保し、世界で最初に化石燃料依存から脱出する環境大国となるために再生可能エネルギー、原子力、バッテリー、農業、デジタル、宇宙など未来分野への投資を継続するとした。不平等の是正や学校教育、高齢者福祉についても投資することを約束した。マクロン氏は今後大統領としての任務を続けながら、選挙キャンペーンを行うことになる。
大統領選挙は4月10日に第1回投票が行われ、1位の候補者の獲得票数が過半数に満たない場合、4月24日に上位2人による決選投票が行われる。憲法評議会は3月7日、右派・共和党のバレリー・ペクレス氏、急進右派・国民連合のマリーヌ・ルペン氏、急進右派・ルコンケット(奪回)のエリック・ゼムール氏、急進左派・不服従のフランスのジャン=リュック・メランション氏を含む計12人の候補者リストを発表した。
各種世論調査では、マクロン大統領の優勢が続いていたが、ウクライナ情勢の悪化に伴ってマクロン大統領の支持率はさらに上昇している。「レゼコー」紙が3月4日に発表した世論調査で同大統領の支持率は28%となり、2位のルペン氏に10ポイントの差をつけた。ウクライナ情勢へのマクロン大統領の対応についても60%が「満足」または「ほぼ満足」と回答した。
同調査によると、決選投票になった場合、得票率57%対43%でマクロン大統領がルペン氏に勝利すると予想。ペクレス氏との決選投票なら59%対41%、ゼムール氏となら65%対35%でそれぞれ勝利すると予想した。
(山崎あき)
(フランス)
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