新型コロナ対策の信号システムを簡素化、ワクチン証明書の提示義務撤廃へ
(ニュージーランド)
シドニー発
2022年03月25日
ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相は3月23日、新型コロナウイルス感染対策として導入している信号システムを簡素化すると発表した。同国では2022年に入って、オミクロン型変異株の感染が拡大したが、最大都市オークランドの感染者数は大幅に減少しており、ピークを脱しつつあることから、制限緩和に踏み切った。
同国で導入している新型コロナ感染対策の制度「COVID19プロテクション・フレームワーク」では、緑、オレンジ、赤の3段階からなる信号システムを用い、ワクチン接種証明書の使用によって飲食店やジムの利用、イベント開催などを許可する措置を講じてきた。今回の発表によって、3月25日午後11時59分から、現行の赤の設定における屋外での集会人数制限や、屋外でのマスク着用義務が撤廃される。また、屋内施設の人数制限をこれまでの100人から200人に拡大する。さらに、接触追跡アプリなどでの訪問記録義務が撤廃され、企業や施設はQRコードを表示したポスターを掲示する必要がなくなる。なお今後、オレンジの設定に移行した際には、屋内外での集会人数制限を撤廃するとした。
また、感染ピーク後とされる4月4日午後11時59分からは、ワクチン接種証明書の提示義務を撤廃し、空港や港湾などの国境管理や医療・介護分野の労働者などを除き、従業員に対するワクチン接種義務も解除する。ただし、企業が必要だと判断した場合には、従業員に対して自主的にワクチン接種を義務付けることができるとした。
信号システムの色の設定は4月4日に見直しを行う予定となっている。
(住裕美)
(ニュージーランド)
ビジネス短信 ecbf39114b75fda1