フランスの外資規制、2021年の審査件数は前年比31.2%増
(フランス)
パリ発
2022年03月25日
フランスの経済・財務・復興省財務総局は3月17日、2021年の外国企業によるフランス企業の買収案件について、外資規制(注)による事前届け出の対象となった投資件数は328件で、前年から31.2%増加したと発表した(プレスリリース)。審査の結果、124件が買収の認可を受けたが、このうち67件は国益保護を理由に、経済・財務・復興省が提示した条件付きでの認可となった。
認可を受けた投資案件を分野別にみると、公安・治安・国家防衛に関わる投資件数が全体の13.7%と、前年の31.5%から縮小した一方、インフラ、エネルギー・水、運輸サービス、公衆衛生、食品の安全保障に関わる投資件数の割合は前年の50.5%から、2021年は56.9%に増えた。特に公衆衛生に関わる投資件数は前年から倍増しており、このうちの26%を占めるバイオテクノロジー関連では、公安を脅かす可能性があるとして、半数が条件付きの認可となった。また、航空機産業のように軍事・民生の双方に関わる分野の投資件数も全体の29.4%と、前年の18%から増加した。
認可を受けた投資案件をブラック ジャック ブラック クイーンみると、欧州経済領域(EEA:EU27カ国、ノルウェー、アイスランド、リヒテンシュタイン)外の企業による投資件数が、英国、米国、カナダを中心に全体の58.8%を占めた。英国のEU離脱やEEA外企業を対象とした外資規制の強化(届け出の基準となる議決権の引き下げ)を反映したものとみられる(2021年12月1日記事参照)。EEA内では、ドイツ、ルクセンブルク、アイルランドからの投資件数が多かった。なお、全体の48.6%が金融機関による投資だった。
経済・財務・復興省は、エネルギー安全保障の確保とエネルギーの脱炭素化に向け、2021年9月10日付アレテ(省令)により、2022年1月1日から外資規制の適用対象となる国家重要基幹技術〔サイバーセキュリティ、AI(人工知能)、ロボット工学、付加製造技術、半導体、量子技術、エネルギー貯蔵、バイオテクノロジー〕に、再生可能エネルギーを追加している。
(注)フランスの外資規制はジェトロウェブサイトを参照。
(山崎あき)
(フランス)
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