ボッシュ、半導体工場へ2億5,000万ユーロの追加投資を発表

(ドイツ)

ミュンヘン発

2022年03月04日

ドイツの自動車部品・電動工具メーカーのボッシュは2月22日、南ドイツのバーデン・ビュルテンベルク州ロイトリンゲンにある半導体工場の拡張のため、2025年までに追加で2億5,000万ユーロを投資すると発表した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。2021年10月に発表した1億5,000万ユーロに続く投資となる。

今回の追加投資の目的は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)や炭化ケイ素(SiC)を使用したパワー半導体の需要に対応するためで、具体的には、ロイトリンゲン工場のクリーンルーム(注)を現在の約3万5,000平方メートルから2025年末までに4万4,000平方メートル超に拡張する。ボッシュは2021年12月にパワー半導体の量産開始を発表しており、2月初旬の暫定決算発表時にも、電気自動車(EV)普及を後押しする技術としてパワー半導体を注力事業の1つに位置付けている(関連ブラック ジャック ランキング)。

ボッシュのロイトリンゲン工場は、1971年の設立以来50年以上の実績を誇り、特定用途向け集積回路(ASIC)、MEMS、パワー半導体などを対象に半導体の開発と製造に注力してきた。工場内では例えば、製品の欠損を自動判別するソフトウエアの開発や、人工知能(AI)による材料分別フローの最適化など、データに基づく生産改善による高い品質の半導体製造を目指している。現在、同工場に勤務する従業員は8,000人。

ドイツの直近の半導体産業関連の動きとして、バイエルン州経済・開発・エネルギー省が2月16日、同州内にあるフラウンホーファー研究所が行う半導体の研究開発などに総額6,000万ユーロを助成すると発表した(関連ブラック ジャック web)。また、ドイツ国外への動きとして、ミュンヘンに本社を構える半導体メーカーのインフィニオンテクノロジーズが2月17日、マレーシアに新工場を建設する費用として20億ユーロの投資を発表した(同社プレスリリース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます)。同工場は2024年夏に稼働開始予定で、新たに900人の雇用創出が見込まれている。

(注)空気中に浮遊する微粒子や微生物が限定された清浄度レベル以下で管理され、一定基準の温度や湿度などが保たれた部屋のこと。防じん室。

(大河原楓)

(ドイツ)

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