バイデン米政権、ロシア政府高官らに制裁、米中高官会談で中国を牽制

(米国、ロシア、ウクライナ、中国)

ニューヨーク発

2022年03月16日

米国のバイデン政権は3月14日、ウクライナ侵攻に責任を負う者として、アレクセイ・クリボルチコ国防副大臣らロシアの国防関係者11人を「特別指定国民(SDN)」に指定した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます。また15日には、深刻な人権侵害や汚職に関与しているとして、ロシアとベラルーシの司法や治安関係者をSDNに指定した外部サイトへ、新しいウィンドウで開きます

米国財務省外国資産管理局(OFAC)のアンドレア・ガキ局長は、今後も汚職や人権侵害に対しては厳格に対応するとし、「ウクライナの人道回廊に対するロシアによる攻撃を非難するとともに、いわれのない残忍な戦争を停止するよう呼び掛ける」との声明を出している。SDNに指定された対象には、(1)在米資産の凍結、(2)米国人(注1)との資金・物品・サービスの取引禁止が科される。また、それらが直接または間接的に50%以上を所有する事業体も同じ制裁の対象となる。3月14、15日に指定されたSDNの詳細は財務省ページ外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで確認できる(注2)。

ウクライナ危機に関して中国を牽制

米国のジェイク・サリバン大統領補佐官(安全保障担当)は3月14日、イタリアのローマで中国の楊潔篪・共産党中央政治局委員と対面会談を行った。ホワイトハウス公表の会談要旨外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますでは、両者はロシアによるウクライナに対する戦争を中心に両国間のさまざまな課題について議論を行ったとし、米中間で開かれた対話ルートを維持する重要性を確認したとしているが、それ以上の詳細は公開されていない。一方、同日開催された米政府高官による記者説明会外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますによると、会談は7時間に及び、サリバン氏は楊氏に対して中国によるロシアへの協力に関する懸念を率直に伝え、一定の行動に対しては結果が伴うことを示唆したとしている。

(注1)米国市民、米国永住者、米国の法律に基づく、もしくは司法権が及ぶ域内に存在する法人(外国支所も含む)、もしくは米国内に存在するあらゆる個人を指す。

(注2)ウクライナ情勢に関する財務省の制裁の全容については、財務省の「ウクライナ/ロシア関連制裁」のポータルサイト外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますを参照。また、制裁対象に指定された個人・企業などについては、同省外国資産管理局(OFAC)のデータベース外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますで、Country欄のRussiaを選択し、Searchをクリックすることで確認が可能。

(磯部真一)

(米国、ロシア、ウクライナ、中国)

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