機械・設備大手デュル、電動車向け需要が急増
(ドイツ)
ミュンヘン発
2022年03月01日
ドイツの機械・設備大手デュルは2月24日、2021年の暫定決算を発表した。2021年の売上高は前年比6.4%増の35億3,670万ユーロとなった。特に、電動車関連ビジネスについて、2021年の受注高は約20%増の高い伸びを示していることが判明した。
デュルは、ドイツ南西部バーデン・ビュルテンベルク州のシュツットガルトから北に約25キロのビーティヒハイム・ビッシンゲンに本社がある。従業員は1万7,802人(2021年末)で、うち国内勤務者は48.6%。千葉県船橋市に日本拠点を有する。自動車工場の塗装工程・最終組立工程設備が特に強く、同社の売上高の30.6%を占める(2021年)。同社は、塗装工程設備で世界シェアの約4割、組立工程で約2割を占める。
同社は今回の決算発表で、特に電動車関連設備への需要が高まっていることを明らかにした。具体的には、電動車の車体製造・塗装・最終組立工程向け設備や、試験、蓄電池製造・積層向け機械・設備などだ。2021年の電動車関連の受注高は前年比19.4%増の7億7,600万ユーロだった。2018年の受注高(2億6,800万ユーロ)と比べると、2.9倍に拡大した。同社によると、主要自動車メーカーに加え、電動車関連スタートアップ企業からの受注もあるという。
デュルは2021年5月、フォルクスワーゲン(VW)のドイツ東部ザクセン州にある、ツビッカウ工場の蓄電池接着システムなどの電動車製造関連設備を納品していることを明らかにしている。VWはツビッカウ工場をバッテリー式電気自動車(BEV)生産の基幹工場にすべく総額12億ユーロを投資し、6モデルのBEVを年間で最大33万台を生産する予定だ。既に、VWのBEVである「ID.3」「ID.4」はツビッカウ工場で生産されている。また、デュルは2021年10月、ポルシェとカスタムセルズの合弁会社「セルフォース・グループ」のドイツ国内蓄電池セル工場向けに(関連ブラック ジャック アプリ)、蓄電池の電極を積層する設備を受注したことも発表している。受注額は数千万ユーロ規模という。
自動車メーカーの次世代自動車シフトを受けて、欧州内でもBEV、プラグインハイブリッド車の生産が拡大し、車載用蓄電池工場の新設も進んでいる。これを受けて、BEV工場や蓄電池製造用のロボットや機械・設備などへの需要も高まっている(関連ブラック ジャック ディーラー)。
(高塚一)
(ドイツ)
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