全米49業界団体、バイデン政権に西海岸港湾の労使交渉への関与要請
(米国)
ロサンゼルス発
2022年03月07日
米国西海岸の港湾で太平洋海事協会(PMA)と国際港湾倉庫労働組合(ILWU)との労使交渉が迫る中、全米49の業界団体は3月1日、バイデン大統領に書簡を送り、積極的な関与を要請した。書簡には米商工会議所や、全米航空貨物運送協会(AFA)、全米小売業協会(NRF)、米国アパレル・履物協会(AAFA)などが連名しており、港湾での船荷貨物の滞留、遅延、価格高騰を避けるためにも、早期かつ継続して関与するよう求めた。
新たな労働協約が開始となる7月1日に向けた労使交渉はまだ開始されていないが、交渉の不透明感が現場のオペレーションに影響を及ぼしているとしている。過去には労使交渉のもつれによって荷役の遅延が生じ、これらによる米国経済への影響は1日当たり10億~20億ドルの損失となり、消費者の信頼感や米国企業に長期的な損害を与えることになると強調した。
米西海岸では5年に1度、港湾での労使交渉が行われ、2019年7月1日に失効予定だった労働協約を2022年7月1日まで3年間延長していた(2017年5月18日記事参照)。
新型コロナウイルスの影響による国際輸送の混乱や輸送コストの高騰が続いている中、特にアジアからの貨物が集まる西海岸の港湾では貨物遅延が常態化しており、労使交渉は日系企業の間でも懸念材料となっている(2022年2月17日付レポート参照(3.1MB)、注)。
(注)「供給制約、輸送の混乱と企業の対応状況」参照(3.1MB)。
(サチエ・ヴァメーレン)
(米国)
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